何故か泣きそうになった(ブン太)




今日、ブンちゃんの機嫌がとっても良くなかった。
別に私に何かしたとかそういう訳じゃない。ただ、漂う雰囲気がピリピリしていた。それだけ。
原因も分かってる。最近ブンちゃんは違う部署に昇進異動した。昇進した上に異動だからもう忙しさが有り得ないと思う。私と会う時間も減ったし、会った時も疲れている顔を見せる事が多くなった。
こんな時って、どうすればいいんだろ?

* * *

最近仕事がやっと認められるようになり、嬉しい事に昇進した。ただ同時に滅茶苦茶忙しい部署に回された。まぁ…忙しい場所に飛ばされるイコール俺が認められたって事だから良いっちゃいい。忙しいながらも結構俺の中で充実している。
だけど…当然だけど咲良に会える時間は減った。それにいくら充実してるとはいえ違う部署、異動して大して時間も経っていない場所、勿論俺の思った通りにならねぇ事だって多々ある。
忙しい、上手くいかねぇ、咲良に会えねぇの最悪デフレスパイラル。
だからかたまに咲良に会うともうすげぇ安心する。抱き付けばほんとストレス解消される。笑った顔見てると本気で幸せになる。
だけどなぁ…ほんと、だけどなぁ…
それだからって、俺…

「ほんっと悪い咲良!マジごめん!」
「良いよ良いよ、ブンちゃん異動したし昇進したしで忙しいでしょ?」

今現在、咲良を目の前に手を合わせて頭を下げる。
本気で俺最悪。
だってよ、貴重な咲良との時間に、俺寝てたなんてよ!
有り得ねぇ、もうどうすればいい?あー…もう俺捨てられても文句言えねぇわ…
咲良は相変わらず笑ってくれてるけど、この笑顔がまた俺の心を締め付ける。

「ほんとごめんな…ただでさえ忙しくなって全然会える時間ねぇってのに…」

なんか申し訳なくて咲良の顔が見れねぇ。咲良に甘えきってる俺、こんなんで良いわけ、ねぇよなぁ…

「ほんとマジごめん…」
「…
 ねぇ、ブンちゃん…」

うなだれた俺に降りかかるのは優しい咲良の声。こっち向いて、と続いたけど俺は申し訳なくて顔が見れなくなった。本気で。

「もう…ブンちゃんったら…」
「ちょ、咲良!?」

俺は咲良の顔が見れねぇほど落ち込んだ。だから咲良が何してるか、何しようとしてるかなんて全く分かってなかった。
それだから今自分に起こった事があまりにも意外で驚いた。
いつの間にか俺は咲良に包まれていた。あったかくて柔らかい咲良に…

「良いんだよ、気にしなくても。ブンちゃんがスッゴく頑張ってるのは見なくても分かるし…
 私の事は気にしないで。疲れたら休んでもいい。だけど、私はいつでもどんな時でも、何があってもブンちゃんの近くにいるよ。だから…無理しないで。私はブンちゃんが私の近くで寝てくれるのも嬉しいから…」

それだけ私に気を許してくれてるって事でしょ?更にそう続いた。

「…咲良…」

本気で嬉しくなった。もうこの俺を包む腕を離したくないと真剣に思った。

「ブンちゃん、大好きだよ」

優しく告げる言葉に俺の心がどうにかなりそうになる。
咲良が告げる言葉が俺の中にすとんと落ち、何故だか俺は泣きたくて仕方なくなった。


何故か泣きそうになった
(もうお前を離したくない)


「咲良…あのよ…」
「ん、なぁに?」
「仕事、落ち着いたら…結婚しねぇ?」


ブンちゃんフィーバーです!今夜なにかが光臨したようで…
こちらも章夜さんに押し付けたもの。しかもついさっきです(笑)章夜さんが提示したお題のひとつ、『何故か泣きそうになった』より。これツイッターの『3つの恋のお題ったー』さんのお題ですが…便利ですねなんか勝手にお題が日替わりで選ばれて。多分なんの事か分からんと思いますが(笑)

貰って下さり、ありがとうございます(*^^*)


2012.12.1.Sat
kirika@No more
章夜さんに捧げもの。

back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -