ゴールデンタイム | ナノ

03鳳side


鳳side


本部テントとなる場所で打ち合わせをしているとちょうど目の前に立っている優也の頭がぐらぐらと動いているのに気付いた。

なんだろうと思いながらも打ち合わせを続けていると優也のセリフの場所に訂正が見つかったので泰盛が優也に話しかけたのだが。

「優也、3ページの…っておい、優也?聞いてるか?」

優也は書類に目を落としたまま顔を上げようともしない。遊洛が大きめの声で言うとようやく反応したが、ペンを握る手が微かに震えている。

さすがおかしいと思った時、ぐらりと大きく体が傾いた。

「っ!!優也っ!!!」

気付いたらとっさに体を支えていて、力なくこちらに倒れている体は熱く、それなのに汗が一滴も出ていない。

「っ、熱中症だ。俺が保健室へ連れて行く」

「…っ、あぁ、すまん頼む。」

俺はその場を副会長の白崎に任せ保健室へと急いだ。




「熱中症だね。ちゃんと水分補給しなきゃダメだよって、言っておいてね。私はこれから会議があるから。」

「わかりました。ありがとうございます。」

そう言って保険医が何処かへ行ってしまった。ひんやりと涼しい部屋の中、ベッドに眠る優也は眉に少しシワをつくり寝ている。

保険医も普段自分が保険室へ運ばれてくる俺が病人を運んで来たのに驚いていたな。

「はぁ。」

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