エイトとミーティアとミーティアの妹王女
エイトからはいつもお日様みたいな、優しい香りがする。その背中に背を埋めると暖かくて優しい何かに心が満たされていくのが分かるのだ。ぎゅう、としがみつくと何するの、と苦笑気味のエイトの声が上から降っていた。
「こうしてると安心するの」
「んー、さっき戦ったから汗臭いと思うんだけどなあ」
「そんなことないよ、エイトはとってもあったかい、お日様みたいなにおいがするの」
緩む頬を隠さずにそう告げると、よしよし、と頭を撫でられた。私よりも大きくて暖かくて、ごつごつした男の人の手。「ナマエは面白い事言うねえ」「そんなことない!」面白くなんてないよ、本当のことだよ。それはとても素敵だと思うの。だって私、エイトに触れているだけで安心して、とっても幸せな気持ちになれるんだもの。
「ねー、エイト、ぎゅうってして?」
「はいはい、ナマエは甘えんぼさんだねえ」
「ん!エイトだけ、ぎゅうってしてほしいの!」
「可愛いことばっか言うんだから、もう」
優しく微笑んで、ぎゅーっと抱きしめてもらうとエイトの優しい香りがふわりと私を取り巻いた。ああ、この……満たされていく気持ちは、
「あらエイト、ナマエ、こんなところに居たの?…ふふ、またじゃれ合って」
「ふふ、僕らは仲良しだもんね。…ね、ナマエ」
「うん!お姉さまも仲良しよ!」
「まあ嬉しい。じゃあ、私もナマエを抱きしめても良いかしら」
「もちろん!早く早く、お姉さま!」
我慢出来なくなってエイトの腕から飛び出して、ミーティア姉さまの腕に飛び込んだ。エイトがおひさまみたいな香りなら、お姉さまはお花の香りがする。柔らかな体にぐりぐりと頭を押し付けると、やだくすぐったいわ、と楽しそうなお姉さまの声が聞こえた。「こら、僕を放っておかないの」「ん、エイトもすき!お姉さまもすき!」
合わされば二人が大好きなのだ。優しいおひさまと、咲き乱れるお花。その愛を一心に受けた私はきっと、世界で一番に幸せな存在だ。
幸福でくるんであげる
(2013/09/24)
裏なんてないよ!幸せ風景だよ!
ほのぼのってなんだろう