そして君の首に手をかける
※病んでます。苦手な方ご注意
一度手に入れてしまったらもうそれ手放す事は出来なくなった。
毒のようにじわじわと蝕んでくるその声、その笑顔、その体、――全て。
もう誰にも見せたくない。触れさせたくない。ボク以外の人間と言葉なんて交わさないで。
君はボクのものなんだろう、だったらその笑顔も声も何もかもボクのもののはずだ。
何度そう言い聞かせても君は何も言わずに俯くだけ。何故?こんなにも君を愛しているのに。
愛しているからこそ君を想ってそう言っているのに、どうして?どうして君は素直に頷いてくれない
「ねえナマエ、何度も言い聞かせているだろう?何故ボク以外の人間と言葉を交わすんだ」
「……友達、だから」
「友達なんて君にはいらない。だってボクがいるだろう」
「でも―――ッ!?」
「口答えなんて許さない。……どうして、ボクの愛を分かってくれないんだ」
「……!……!」
ナマエの口は小さいからボクの手だと鼻ごと押さえつける事が出来る。だからかな、息が詰まって苦しそうだ。
ああ、ちょっと力も入れすぎちゃったかな?少し涙目になってて可愛いなあ、ナマエは。
ゆっくりと手を離す。ああ、目を見開いてボクをどうしてそんな目で見るんだい?怖がる必要なんてないだろうに。
「………え、ぬ……怖い」
「怖い?どうして?ねえナマエ、何故怯えるんだい?何故?」
「…ねえ、どうしちゃった……の?今のN、おかしいよ……!」
「おかしい?おかしくなんかないさ、ただボクは君を愛しているだけだ」
「…………なんで?おかしいよ、狂ってる……っ」
「狂ってる?じゃあそれはナマエのせいだよ。君を愛してるからこそ、だ」
手元の鎖をくい、と引っ張るとナマエのその可愛らしい顔は床に叩きつけられた。頑丈な首輪は素晴らしいね。
だって君が悪いんだろう?ボク以外の男と話すなと何度も言ったのに話すんだもの。
本当は友達なんかじゃないくせにナマエはボクにヤキモチを焼かせようとしたんだろう?
ああ、そんな事をしなくてもボクはずっとナマエを愛すというのに。いじらしいナマエ。
でもね、ボクだって怒るんだよ。ヤキモチを焼かせたいのならば会話なんてしなくていいはずだ。そうだろう?
だからこれはお仕置きのつもりでやっていたのだけれども……彼女の首には赤色の首輪。繋がっている鎖はボクの手元に。
ああ、なんて素晴らしいんだろう!何故最初からこうしなかったのだろう!?こうすればナマエはボクしか見ないじゃないか!
その視界にはボクしか写らない。素晴らしい!ずっとこのままにしておこう!
そうすればナマエは綺麗なままでいられるだろう?
外の空気はナマエを汚らしく染める。ボク以外の人間をナマエの視界に入れたくなんてない。
前々からそう思っていたけれどどうしようもなくて―――でも、こうすれば全てが解決する!
今、ボクはやっと、ナマエを手に入れられたんだ!
「ねえナマエ、これからずーっと……ここで暮らそう」
「――ッ!?」
「もうどこにも行かなくていいんだよ、ずっとボクがナマエの世話をしてあげる」
「なッ!?やめて、離して!」
「ご飯も、洋服も、欲しいもの全部ボクがナマエに用意してあげるよ」
「やだ、やだやだやだやだ!やめて!お願いN!」
必死で頭を振るナマエ。おかしいな、素晴らしい提案じゃないか。
君の好きなものだけで全部世界を作ってあげるって言ってるのに。
「…………どうして嫌がるの?」
「ひ、っ……!?」
「ねえ、ナマエはボクの事嫌いになったの?だから嫌なの!?ねえ!」
「や…っ!わた、しは……!」
「好きだよね?好きだよね?ねえ、好きだろ?好き好き好き好き好き好き好き?」
「………っ、もうやめて………!」
モウ、ヤメテ?
……ねえ、どうして耳を塞ぐんだい?もしかしてボクは嫌われたのかい?
嫌われたのならそれでもいいかな。でもね、ボクはまだ君をこんなに愛してる
こんなに愛してるのに手に入らないなんて信じたくないかな
だからもう、こうするしかないんだろうね!
そして君の首に手をかける
(あ、はは……)
(あはははははははははははははははははははははははははははは!)
(これで、これでやっと君は―――!)
(2013/03/11)
ごめんなさい、書くの超楽しかったです!
Nさんはヤンデレ似合いそう。そして初ヤンデレである
個人的には病む=デレなので病んでる状態がデレ感覚。
でもこれヤンデレなのかなあ…不安だ