こうなった?
※剣城視点
「剣城……!?お、お前………ふっ、不純異性交遊!?見損なったぞ!?」
「白竜落ち着け。別にそういうんじゃ、」
「この俺よりも早く彼女を作るなどうらやm……けしからん!」
「だから違ェよ!」
「剣城、ねえねえこのイケメン君は誰?いや剣城もイケメンだけど」
「先輩すいません、鼻血出てるんですから安静にというか正直黙っててくださ、」
「お前は巨乳が好きだっt「デスソード!」
**
多少行儀が悪いがクレープを食べつつ雷門への帰宅路を辿る。
会話は来る時よりも弾んで、でも先輩は俺を目を合わせようとしなかった。顔が赤かったとこからして、この人は女の子扱いされるのに弱いんだろうか。
他の先輩達は「あいつを女と思うな」って俺達に言ってたけど、本当は先輩は普通に……とまあ、そこまで考えていた時だった。
曲がり角を曲がろうとした瞬間、視角になっていた場所から見慣れた白銀の髪が飛び出してきたと思ったら先輩と衝突した。
勢い余って先輩は電柱と激突して鼻血をたらし、今は俺のハンカチで抑えている。案の定ぶつかったのは――――……
「白竜君だっけ?大丈夫?……まったく、剣城も技名言って白竜君蹴り飛ばすなんてダメだよ?」
「俺は究極だからな!この程度痛くも痒くも……うっ」
「わあ、色んな意味で痛い残念なイケメンだー!」
でもそれを差し引いても普通に美味しいわ、と呟く声が聞こえる。先輩、白竜に何する気ですか?
公園の水道で先輩の鼻血に染まったハンカチを洗いながら二人の会話を遠目で身守る。
返事はしない。会話に加わるのが怖い。白竜は思い込みが激しいから誤解を解くにはゆっくり―――
「ところで貴様は誰だ?」
「ああ、初めまして苗字名前です。雷門二年で剣城の先輩でサッカー部のマネジ」
「俺から剣城を奪おうなど……女とて加減はしない。勝負だ!」
「おい待て意味が分からん」
これは流石に割って入らざるを得ないと思う。何故そうなった。どうしてそう思考が働いたんだ白竜。
さっきのデスソードで変なスイッチでも押してしまったんだろうかと不安になる。まあ流石に先輩でもこんなアホな申し出は受けないだろう。
そろそろ雷門に戻らないと時間がやばい。多分「サボっていただろう」と神童先輩に怒られるのは確実だ。多分音無先生にも怒られる
それは先輩も分かっているはずだ。確信に近い何かを得て先輩を振り返る。形の良い唇が白竜の申し出を断るために開く。
―――はずだったのだが。
「おう、望むところだ!勝負方法は?」
「サッカーに決まっているだろう。ああ、素人か?そんなヤツは剣城に相応しくな、」
「やるやる!サッカーやるやる!じゃあ審判は剣城ね!」
「やる気満々…!そんなに剣城が好きなのか、俺とて負けん!」
………そうだった。先輩はサッカー馬鹿だった。
どうしてこうなった?
(ちょ、先輩!流石に先生に怒られますよ!)
(だいじょーぶだいじょーぶ!私のせいにしていいから)
(いやでもですね)
(だって白竜君強そうじゃん)
(……あ、ダメだこの人早くなんとかしないと)
(2013/04/09)
白竜と絡ませたかった。絡ませたかったんです
剣城大好きな白竜と絡ませたかったんです!←