寒い日の朝の会話


「………うわ、何朝から渋い顔してるんですか」
「だって寒いからつい…あっおはよう、剣城」
「ああ、おはようございます。確かに今日は寒いですね」
「五枚着込んできたけどまだ寒いんだよ」
「それで若干いつもより膨れ……いえ、なんでもありません」
「剣城はいつも通りの薄さだけど寒くないの?」
「俺も結構着込んで…って名前さん、俺のこと薄いとか」
「だって細いじゃん。女の子の嫉妬の目線が集まる腰だよ剣城」
「セクハラですか」
「着込んでても目立つそのライン!魅惑の腰だね!名前ちゃんときめいちゃう」
「気持ち悪いんですけど」


「でも剣城は細いよ。筋肉もあるだろうけど細いよ」
「そんなに細い細い連呼しないでください。それなら名前さんだって…」
「細く見えるんなら嬉しいけど、そこそこ体重はあるから剣城と一緒だね」
「俺も車田先輩みたいにきちんと出れば、薄く見えなくなります?」
「んー、無理じゃない?剣城は多分拓人とか蘭丸と同じタイプなんだよ、多分」
「ああ、脱ぐと分かるみたいな」
「えっ剣城は脱ぐと割れてる?脱いでみ、」
「……………」
「…寒いもんね、しょうがないね、うんうん」


「……まあ、俺もそこそこ筋肉はあります。それに名前さんも似たようなものでしょう」
「そうかな?ずーっと昔はお姫様みたいに細くて華奢なスタイルに憧れてたんだけど」
「名前さんは……華奢……?」
「ねえ不思議そうに言わないで、普通に傷つくから」
「握ったら折れそうな手首ではないですね」
「そんな手首じゃ力入らないし力入らなきゃ勝てないし」
「…まあ、俺は握って不安になるより安心出来る方が…」
「つまり勝つためには力!力は練習で身につく!お姫様なんてポイっよポイっ」
「……………」
「ああでもお姫様なら、うん!葵ちゃんとか!死んでも守るわそんなの」
「………………」
「どうしたの剣城、黙り込んじゃって」
「もういいです。寒いなら俺のマフラー貸すんで、使ってください」
「え、いいの!?私まだマフラー買ってないから助かる!」
「買ってないんですか?なら、放課後買いに行きましょうか」
「そういえば今日部活無かったね!…うん、剣城に選んでもらおうかな、マフラー」

「お揃いにしましょうか?」
「…………………………………うん」


冬の日



(2014/12/01)

12月ですね!勘を取り戻すべくまいうぇい。