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先日更新した創作神話ですが、予想以上にご感想頂けて嬉しいです。
ありがとうございます!

元ネタがあるのかというご質問ありましたが、ギリシャ神話や日本神話をなんとなーく意識してます。
世界観はギリシャ神話寄り、登場した三人は天照大神と月読尊と須佐之男命をぼんやりイメージ。三人の父親のイメージはギリシャ神話のゼウスですかね。
とはいえ、ギリシャ神話も日本神話も詳しくないです。
夜の神様のお仕事が杖で夜空をかき回すこととか、夜の神様の切った髪が流れ星になるとかは私の妄想の産物です。

リュシオンの神話は、一応、人間たちの間で語られる神話では真面目くさった感じで堅苦しく書かれてますが、読みとくと「弟、兄に会いに行く」話。
何故半神リュシオンが夜の神ルドワーレに会いに行くか明確な理由は書かれてないので、歴史学者の間では割りと真面目に議論が交わされていたりします。
夜の神ルドワーレがメインの神話ではリュシオンの存在がほぼ無いことから、「リュシオンがルドワーレに会いに行くのは何らかの復讐の為では?」という不仲説もあったり。
一部の歴史学者は読みといたところ「これただの度の過ぎたブラコン弟が大好きな兄ちゃんに会いたいだけの話やんけ」という結論に達してたりする。
もちろん「英雄リュシオンがブラコンなわけがない!ルドワーレに会いに行ったのは立派な理由があるはずだ!」と異議を唱える学者もいる。

ちなみに、リュシオンの英雄神話(長編)は、
「太陽の神シャリアータが与えた数多の試練、美しく雄々しいリュシオンを欲した様々な神々の誘惑をも乗り越え、英雄リュシオンはついに夜の神ルドワーレとまみえたのだ。そうして、リュシオンは半人の神となった」
で終わります。
ルドワーレに会いに行った理由とか、会ったあとどんな会話がなされたのかは神話で語られていません。

そもそもリュシオンの英雄神話内でルドワーレが実際に出てきたのは、
@リュシオンが生まれて間もない頃
Aリュシオンが少し成長し己が周りの人間とは違う存在であることに悩んでいる頃
B神殺しの力を初めて使った時、
の三回で、それ以後登場しないし、その三回での会話もほぼない(神話内での記載無し)なので、後の人々にとっては「なんでリュシオンはルドワーレに会いに行くん??」と疑問でしかない。
ルドワーレ中心の神話でも、上記3回の邂逅は語られないので、人間たちにしたらほんと謎。この世界の神話の大きな謎の一つ。
単純に、兄ちゃん大好きブラコン弟の愛と執着が凄かっただけの話なんですけどね。

あと、一部の層は、「リュシオンのこの執着っぷりは絶対ヤンデレ。対してルド様神話の殆どリュシオンに触れないこの淡白さはなんなんだ…クールに見せかけて姉ちゃんとの喧嘩と可愛い美人なお星様とちゅっちゅする神話しかないルド様まじルド様。これは完全にヤンデレブラコン弟攻め。萌えの視点で見ると世界最古の"公式が病気"だなこれは」と熱く語っていたり、いなかったり。

ちなみに、まだ神々と交流のあった時代の人間や、他の神様連中はリュシオンの兄貴大好きっぷりは知ってます。
「リュシオンやべー」ってみんな思ってます。
執着の強いヤンデレにチートをほいほい与えた父と母は戦犯。

また、この一話の為に何となく考えた神話内容が下記。

・リュシオン
有名なリュシオン中心の神話は長編1本。
『リュシオン戦記』『リュシオン英雄記』やら、何かそんな感じのタイトル。
リュシオンが生まれ、成長し、兄である夜の神様に会いに行くまでを綴った冒険譚。
ちなみに実際に兄が出てくるのは4回。赤ん坊時代、少年時代、青年時代、そしてエンディングのみ。
神話の最後の一節「太陽の神シャリアータが与えた数多の試練、美しく雄々しいリュシオンを欲した様々な神々の誘惑をも乗り越え、英雄リュシオンはついに夜の神ルドワーレとまみえたのだ。そうして、リュシオンは半人の神となった」は、後世の歴史学者の課題。いったいどういう意味やねん。
“神裁きの半神”としての話は、断片的なものしか残っておらず詳細は分からない。ただ、「半神」というワードと「夜の神ルドワーレ」が神の監視者を兼任していること、「夜の神の末の弟」というワードから、おそらく神裁きの半神=リュシオンであろう、というのが歴史学者の見解。そしてその見解は正解。

・ルドワーレ
有名なルドワーレ中心の神話は、姉である太陽神シャリアータとの喧嘩話と、星々との逢瀬の短編2本。
姉との喧嘩話は、ルドワーレが引き篭もり(違)になった大喧嘩の話。
星々との逢瀬は、キラキラ光る可愛くて美人な星たちがかわるがわる毎夜ルドワーレの寝所に訪れていたけども、星の数があまりに多すぎて自分の番がなかなか来ないことにキレた星たちが大喧嘩をする話。ちなみに、喧嘩中に隕石となって地上に落ちてきた星が多くて、母親である大地の神がキレて収束する。「ルドワーレ!あなたが星の全員を万遍なく相手にしていれば済んだことでしょう!」「いったい星が幾つあると思われているのですか、母上。俺一人では到底追いつきません」という会話は、この世界の男たちが一度はしてみたい会話だったりする。つまり、ただの夜の神様のハーレム話。


リュシオンとの絡みのある神話がないのは、おそらく書き残す猛者がいなかったからだと思われる。
せっかくリュシオンの英雄話が格好良いのに、ただのブラコンだったなんて言えない。そんな、神世時代の人々の苦りきった顔が目に浮かぶ。


たった一話の創作神話にやたらと設定盛り込んでますが、考えるのがとても楽しかったです。






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