ある朝の幸せ



「名前ー、もう起きや」

「もうちょっとー」


もそもそと布団に潜る名前は本当に朝が弱い。そんなん繰り返していつも寝坊したーって騒ぐもんだからたまったもんじゃない。むしろ俺が朝から可愛い彼女に起こしてもらいたいくらいや。


「また寝坊するでー今日は大事なプレゼンあるんやろ?」

「はっ」

「さっさと顔洗って歯磨いてきーや」


んーと眠い目を擦りながら彼女は俺の方に両手をのばす。


「起こして」

「お前なー、それくらい自分でやれや」


ヘラヘラと笑う彼女の両手を引っ張り、ぐっと自分の方へ寄せる。勢いあまって俺の胸の中に収まった彼女からふわ、と髪の毛からいい匂いがして思わずぎゅーと抱きしめた。


「あつむーこれじゃ起きれないよー」

「もう起きんでええんちゃう?」


このまんまでのんびり過ごしたいわーなんて言えば、彼女は私もーって笑うから誰も止める人なんていない。ダメダメカップルやんこれじゃあ。


- - - - - - - - - -


「今日の晩ご飯なににする?」

「んートロやな」

「またそれか」

「「いってきます」」


ある朝の幸せ