いつもの放課後、サッカー部のマネージャーである苗字は、ベンチに座ってため息をついていた。
「はぁ、」

 恋わずらい


ボーっと、雷門中のキャプテンである彼の姿を見ながら、再度ため息を漏らすと、いつの間にか隣に座っていた吹雪に話しかけられる。
「最近良くため息ついてるよね?」
「!…ッ、エェ?!そ、そんな事はないよ!」
突然話しかけられ動揺してしまった。
「そうかな?今だって…」
「って、いつからいたの?」
「さっきからだよ。」
「そっか。」
「それで、どうしてため息ついてたの?」
「うーん?どうして…だろう?」
「…恋わずらい?」
吹雪にそう言われて苗字の胸がちくりと痛む。
「そう、なのかな?」
そう言って、笑って見せると
「そっか。でもなんか妬けちゃうな、僕苗字ちゃんの事好きだったんだよね!」
「…え?」
それは突然の告白だった。
「えぇっとー、ごめんなさい。」
「こんなこと急に言われても困るよね!それで、苗字ちゃんは告白しないの?」
明るく言う吹雪に罪悪感が生まれる。
「告白?」
…考えたことも無かったなー。

「振られても大丈夫だよ!その時は僕の所においで、待ってるから!」
そう言って、練習に戻って行ってしまった。
苗字もそれに笑顔で答える。
「ありがとう、練習頑張って!」




*****
練習が終わって皆にタオルを持って行くと、いつもと違いボーっとしている円堂君が見えた。
「どうしたの?」
「…」
「円堂君? 」
「…」
聞いてない。何か考えているのだろうか?
とりあえず、汗でも拭いていればいずれは気が付いてくれる!そう思い、
彼の額の汗をぬぐう。
「…!」
触れて、驚いた顔をする彼。
やはり、何か考えてたんだ。
「円堂君?」
「お、お、お前いつの間に?!」
「さっきからずっと居ましたよー??」
なんでそんなに動揺するのか、と言う疑問が浮かんだものの、とりあえずそのまま円堂の汗をぬぐう。
「苗字」
名前を呼ばれ円堂に目を向けようとすると彼に抱きしめられた。
「え、円堂君?!///」
 …もう何がなんだか分からなくなってきた。
「俺、苗字の事が好きだ。」
「へ?」
突然の事に変な声が出る。
「苗字…」
「わ、私もね、私も実は円堂君の事ずっと好きだったの!」
「本当か?」
「うん!」
笑顔でそう答えると、
「じゃあ、付き合ってくれるのか?」
「もちろん!これからヨロシクね!」


いつも考えてたんだ、君が誰を好きで誰に好かれてて、誰と付き合うんだろうって。
もし、君の好きな人が私だったら、いいのになって。
今までも、これからもこの気持ちは変らないと思う、君も変らないでよね?






*****
今日はやけに告白されるな、ヒロインw
さすがです、苗字様!!!!!←
個人的に、甘々を目指したつもりだったのだが...どうだr((
ここまで読んでくださってありがとうございました!!




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