波乱万丈 | ナノ

可愛い3人の少年達




名前side


勝手に部屋から出て来て早5分程度。
此処で問題発生!!
食堂の場所が全然わからない。

うーん、困ったものだ。


すると後ろからガヤガヤとする声と共に足音が聞こえた。
後ろを振り返って聞き耳を立てると、


「乱太郎きり丸、僕お腹すいちゃったー」

「もうっしんベヱったらさっき食べたばっかじゃん」

「じゃあ先に食堂行って後から昼寝でもしようぜ」


てきなことを話しているのが聞こえた。
おぅふ、さっき食堂っていう単語が聞こえたんだが気のせいか!?


『ねえそこの3人!さっき食堂って言ってなかった!?もし良かったらなんだけど、あたしを食堂まで連れて行ってくんない?』


「言ったっすけど、食堂になんか用があるんすか?」

『そう!今すぐに冷たい場所に入れないと腐ったりする貴重な食べ物なの!』


「食べ物!?」


わぉそこのぽっちゃりとした君、口がらの涎がすごいな…ιあと鼻水。


「しんベヱとりあえず離れて!えっと‥お姉さん、私達ちょうど食堂に向かうから一緒に行きませんか?」


『うぉぁぁあありがとうー!じゃあ後でお礼にお菓子あげるよ』

「あげる!?」

「お菓子!?」


『う、うん。お菓子』


お菓子あげるって言ったら、紺のスカーフを巻いた少年が目を銭にしてキラキラしている。
それと、ぽっちゃりとした少年が涎と鼻水をだらだらと流していた。


「きり丸は、あげるや貰うって聞くとあぁなるんです。逆に頂戴やくれって言葉が大嫌いなんですよ。
そしてしんベヱは食べ物に目がなくて…」
なるほど、そういう訳か。

『あははっ!あたしもお金や甘いものは好きだよ?』


「それよりお姉さん、変わった格好してるね」

「南蛮の服っすかー?」

『うん、まぁそんな感じなのかな、うん。あっ、あたし明日から事務員として働くことになった名字 名前。
これからよろしくね』


とりあえず自己紹介をしてみる。


「私は1年は組の猪名寺 乱太郎です!」
「俺も乱太郎と同じ1年は組の摂津のきり丸」

「僕もきり丸と乱太郎と同じ1年は組の福富しんベヱ!」


「「「よろしくお願いしまーす!」」」


なんて、手をあげて笑顔で向けてくる。
…なんつーか可愛い。
ほんと可愛いなオイ!
ヤバい…、顔がにやけてしまう、、


『うん、よろしく』
笑顔で手を差し出して言ったら、
ガバッと抱きついてきた。

勢い強すぎて潰れそうになったけど、
可愛いから許す!!




 ***


あれから、
乱太郎、きり丸、しんベヱと共に他愛のない話をしてると食堂と書かれた場所に着いた。

乱太郎、きり丸、しんベヱは一目散に食堂へと入って行った。


『…、失礼します』

と言い、恐る恐る中に入ってみる。


ありゃりゃ?
乱太郎、きり丸、しんベヱはどこに行ったのだ?
そんな事を思ってると、乱太郎、きり丸、しんベヱが戻ってきた。


「名前さん、食堂のおばちゃんを呼んで来ました」


乱太郎の言葉と共に出てきたのは、食堂のおばちゃんらしい。


『初めまして。明日から事務員として働く名字 名前です。よろしくお願いします』

「学園長先生からちゃんと聞いてるわよ。食堂のお手伝いもしてくれるって聞いたから助かったわー!よろしくね名前ちゃん」

そう言って、あたしの手を握ってきた食堂のおばちゃん。
その握られた手は水仕事で手はカサカサとしていたが、凄く暖かみのある優しい手だった。


『こちらこそよろしくお願いします。あっ食堂のおばちゃん、ここに冷蔵庫ってありますか?』


冷蔵庫って言ったら、4人ともハテナマークを頭にえがいていた。

あっそっか、この時代には冷蔵庫なんてものはないんだった。
すっかり忘れてたなぁ…
そういえば、以前友達が、
冬場に氷を作って、穴を掘って作った蔵や室みたいなところに藁で覆った氷を保存して、
夏場にはその氷をそこから取り出して使用してたって、言っていたのを覚えている。

と、いうことは…、


『あっさっきの言葉は忘れてください!
水に流す勢いのつもりで。
それより、豆腐を冷やしたいので氷水を使ってもいいですか?』


「あら、ちょうど豆腐を冷やしてるから、どうせなら一緒に入れたらいいわ!」


『もうっ本当ありがとうございます!
あたし、明日から頑張って働きます!』

軽く意気込みながら言った。
うん、なんか気合い入ってきた!
そういや、早く帰らないと土井先生に叱られる!!

「えぇ、頼むわね」

『それじゃあ、あたし用があったの思いだしたからお先に失礼します!』


食堂から自室まで急いで帰ろうと、思ったら乱太郎、きり丸、しんべヱが
あたしの裾を引っ張った。

そういえば、食堂に連れて行ってもらったのに何も恩返しをしていなかった。


『…乱太郎、きり丸、しんべヱ。これ、一緒に食べよう!』

あたしが手から出したのは、一口サイズのチョコレート。
よく売ってるよね、イチゴとかホワイトとかミルクとか沢山入ったチョコレート。

『ちょうど4つあるから1人1つずつ食べよう!ね?』

口元に人差し指を持ってきて、みんなには内緒だからねって言うと、
3人は「「「はーい!」」」と言って一口サイズのチョコを手にとり口へとやった。

「こんな甘いもの初めて食べた!ねっ、きり丸にしんべヱ!」

「あぁ!」

「僕も初めて食べた!もっと食べたいなぁ」


『また今度ね!』

って言ったら、うん!!って言ってくれた。あー、やっぱり可愛い!
マジ天使!!


ヤバい、もう部屋に帰ろう。
豆腐も冷やせたことだしね!


『じゃあ、あたしはもう戻るね!乱太郎、きり丸、しんべヱ今日は楽しかった!また話そうね!』


また明日と言って、あたしは自室へと足を進めた。







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