side 尾浜




「…………暇だな。」


「それを言うなよハチ。それで今困ってんだからさー」


「凜はどこに言ったんだ?」


「確か……、えーと………?うーん……」


「雷蔵、女子会みたいなやつだ!」


「うん それだ!」



今日は、凜がクラスの友達と女子会をしているらしく、みんなが暇をしている。



「―――なぁ、」


「なんだよハチ」


「凜って、どこで女子会してんだ?」


「喫茶店かどっかじゃない?」



「いや、でも最近の女子ってさ……"ラブホ"で女子会する人が増えてるらしい」



「「「「…………………。」」」」



三郎、そんなアッサリ言っちゃダメだって。
それより、なんで三郎がそんな情報知ってるか俺は知りたい。



「なんでそんなの知ってんだよ〜!」


「そういえば、隣のクラスの女子がラブホでAV鑑賞しようぜっ!みたいな事も言ってた」



「……兵助なんで知ってるの?」


うん、俺も気になったよ兵助。
なんで知ってるんだ……



「女子どもがワイワイ騒いでた」



「………よし、みんなでラブホ行こう!」



涼しい顔をして親指を立てて言った。


変態な三郎は言うと思ったよ。




「……馬鹿だな三郎」


「流石、変態といったところだ」


「命知らずなやつだ」


「……そもそも凜がラブホにいるって確率ないんじゃない?」



――よく言った雷蔵!!!
そうだ、凜がそんな卑猥な場所に行くはずがない。
うん、そう信じたい!




「いいや、あれでも凜は年頃の女だから流石に男女の淫らな行為を知ってるだろう」



「…三郎、凜が聞いたら半殺しどころじゃすまなくなるぞ」



「心配ない。だって今、凜は友達と女子k……あ」



三郎が言いかけてたけど青い顔して急に黙った。


視線の先を見ると、教室のドアのところに凜が立っていた。




『…なんかちゃ、はよ続きいえ。あたしがなんなん? あれでも年頃の女? ラブホで女子会? …にあがんのも大概にしちょけよ』



「……いやぁ、最近、その…流行ってるみたいらしいな。なぁ兵助…?」


「え、なにが…??」


「お、おおお俺達は止めたけど三郎がラブホ行こうぜって言った!!な、雷蔵」
「ごめんね凜。僕達、一生懸命やめるように言ったんだけど…」


「這 兵助!?雷蔵!?ハチ!?
なななに言ってんだよ!!勘ちゃん、兵助やハチも言ってたよな〜、…なぁ?」



いや、なぁ?じゃないよ三郎。

三郎が変なこと言うから、みんなの視線が俺のほうに…!!


ここは どう答えたらいい!?
兵助、ハチ、雷蔵みたいに俺もシラを切ったらいいの!?




「………えーと…、」


きっと今の俺は目が泳いでいる。
あと、冷や汗が止まらない



『もういいばい勘ちゃん。みんなの顔が焦っちょうの丸わかりすぎ(笑)
どうせ三郎がなんか言ったっちゃろ?』


あははっ!と腹を抱えて爆笑している凜。
俺達、いや特に三郎は内心ホッとしているようだ。


『……で? どういう経緯で、ラブホに行かないけんのか教えてくれるよね三郎?』


はい、二度目のダーク凜がでました!

怒ったら、いつもの倍言葉遣いが荒くなるんだよね。



「女子会の定番と言ったらラブh」


『喫茶店かどっかに決まっちょろうが!!!
馬鹿か貴様(きさん)!!』


「凜、俺達もう帰っていいか?」『うん、三郎以外ね!』


「じゃあまた明日な凜に三郎」


「またねー。三郎お大事に」


「おほー!またな凜、三郎」


「凜、三郎をよろしくね」



みんな次々に鞄を持って教室から出て行った。





夕日が窓辺に差し掛かる教室には、凜と三郎が残っている。





『覚悟しやがれ三郎おおお!!!!』


「ギャアァァアアアァ!!!!」



下駄箱近くで三郎の悲鳴が聞こえたのは言うまでもない。


ご愁傷様、三郎。







―――――――――――――


貴様→きさん と読む


因みに、ラブホで女子会しようぜっ!
って話は最近にあった実話です。

(女子会はどこでやるか)


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