佑希望side



いつも食堂に一緒に行っていた麻衣が保健委員の仕事があるとかで今日は私だけである。

食堂に入ると、ご飯の良い匂いがしてお腹がぐーっと鳴った。

誰かに聞かれてないかな、と思いさりげなく左右を確認すると誰も気づいていなかったらしく、ホッとした。

だが、

「あれ、今日は1人?」

珍しいね、と後ろから私に話しかけてきた雷蔵。

急に後ろから話しかけられて、一瞬さっきのお腹の音聞かれてないかな?と不安でどきどきしたがなにも言ってこないので聞かれてはないみたいだ。


『ふぅ…)雷蔵も今日は1人なんだね』


「今日はみんな用事があるみたい。
佑希望さえよければ一緒に食べてもいい?」


『もちろん。
むしろ1人で食べるの心細かったから、声かけてくれて嬉しい』


へへっと恥ずかしそうに雷蔵は笑った。
それにつられて私も笑ってしまう。


「今日のランチは和食か洋食……
どちらにするか迷うなあ。
佑希望はもう決めた?」

『うん。私今日は洋食にする!
煮込みハンバーグみたいだから。
雷蔵、和食にして半分ずつ食べようよ』


実は和食も食べたいんだよね と言うと、雷蔵は嫌とも言わず承諾してくれた。


出来上がったご飯を机に持っていき、2人でいただきますをした。



「たまには静かな食事もいいね!」


『麻衣と食べる時はあの子1人で喋りだす生活に慣れてしまったから、静かな食事もなんか新鮮に思えてくるんだよね』


雷蔵が思いたったかのように口を開いた。


「あ、そうだ!
今度2人で町にでも行かない?」


『行く!
今のうちに麻衣に買ってあげるお土産考えておかないと』












(三郎よ、あの2人だけの空気に溶け込める自信はありますか?)


(麻衣、今すぐ行きたいところだが雷蔵に嫌われる)


((しょうがない、2人で食べるか))




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