チョコレィト・メッシー4 | ナノ


チョコレィト・メッシー4



「はぁ、ん…」
「はぁ、はぁ、はぁ」

あれから何度も口移しでケーキを貪っているために、二人の口周りはチョコレートでベトベトだった。
時刻は既に0時を過ぎている。
臨也はいつの間にか静雄を跨いで座っていた。

「お、おい…なんか、…もういいだろ」
「まだ半分残ってる」
「だ、だって、何か、変な感じが…っ」

もじ、と両足を閉じて左右に視線を泳がせる静雄。

「興奮した?」
「だ、誰が!」

ぐりっ

「あっ!!」

下半身をグラインドさせ、静雄の盛り上がった下肢を押さえるとビクンと身体を弾ませる。
臨也はその様子に舌なめずりをした。

「ほら、してるじゃないか。しかも結構前から」
「テメェ…!最悪…だ!」

顔を真っ赤にして睨むが、今の状態で反論の余地はない。

「じゃあさ、別の食べ方ならいい?」
「ッ何、だと?」

するりと降り立ち、臨也は静雄のシャツのボタンを外し始めた。

「あ?あ?」

その様子を見ていることしか出来ず、とうとうベルトにまで手を掛けられたところで静雄はハッとした。

「お、おい!?」
「シズちゃん硬くなってる、凄ーい」

ジッパーを下ろし、硬く反り返る静雄自身を外気に触れさせた。
パンツごと太股までずらして臨也は何故か頷く。

「よし」
「よしじゃねぇ!何考えて」
「いただきます」

にっこりと黒く微笑んで、臨也は手でケーキを鷲掴みにしたのであった。
そして、静雄の厚い胸板と下肢にそれを塗りたくる。
「つめ、てぇ…!おい!」

ぺろ

「ひっ」
「甘ったるい」

胸の突起に舌で触れながら、手では静雄自身を扱く。
手の平の体温で溶けたチョコレートが潤滑剤の代わりとなり、ぬちぬちと卑猥な音を立てて臨也の指が上下した。

「…んぁああっ、なに、す」
「敏感…触られるの、初めて?」
「悪かった、な…ッバカ!…マジ、何考え…て、ひっ」

じゅっ、と乳首を強く吸い上げてチョコレートを綺麗さっぱり舐め尽した臨也は、
ニヤリと笑い、静雄の赤い顔と向かい合った。

「初めは…嫌がらせをと思ってしたことだけど。何だか予想以上に楽しくってね」

「んだ、それ!死ね…よ!」
「可愛くってつい苛めたくなった、ごめんね」

そう意地悪に言って、臨也は優しくキスをした。
臨也は再度残りのケーキを手にとって、静雄の後孔に指ごと入り込む。

「うわ!!」

「だから…ちょっと我慢できない」

「んっ、…い、て、いてぇ!」

「へぇ、これは痛いんだ?ナイフは刺さらないくせに」

「しらねーよ!…へ、へん、それ!やめろ!」

止めろといっておきながら、脚は大きく左右に開いている。
臨也の手の平はチョコレート塗れになっており、粘着性のある音を奏でながら静雄の視界から消えては出てくる様を垣間見た。

「シズちゃんの中とろとろだよ、凄く熱い」
「ああ、あっ、ッあ」

腰を震わせ、先走りがチョコレートと混じって静雄の腹に滴り落ちた。
感じていることを確認した臨也は硬くなっている自身を取り出した。
その動作に気付かなかった静雄は、下肢に大きな違和感を覚える事で初めてを味わうことになる。

ぐぷ…

「い、いざや!?」
「これでケーキ全部…。ご馳走様しないと」

そう言って、堂々と侵入してきた。

「ぐ、あ、ああ、テメッ、何入れてん、だ!」
「っ…フフ」

全てが納まると、臨也は一度大きく呼吸した。
静雄の胸を揉みしだくとチョコレートがべっとりと静雄の身体を汚す。

「ひっ…ん!動く、な…くる、し」
「大丈夫大丈夫、気持ちよくしてあげるから」
「う、う…ッで、けぇ…っソレ、む、り」

静雄は上がる息を堪えるのに必死だった。
ソファに体重を任せて上から臨也が乗っかってきているこの状況が理解出来ない。
だって、
(もう気持ちいいなんて、言えねぇ…ッ)

「はい、あーんして」

乳首を一度摘んでから、溶けたチョコレートを指で掬って静雄の口に持っていく。
おずおずと開いた口からは唾液が零れ、何とも厭らしかった。
指を咥えさせたまま、臨也は腰を激しく動かし始める。

「!?んぅッ、んんっ、むうッ」
「良い眺め。癖になりそう」
「ンーッ、ンッ、んんっあ」

指を引き抜くと臨也の指には静雄の唾液が絡まり、それを舐め取る臨也に目を疑った。

「そういうわけだから、これからはやり方を変えていくね」
「ああ、んぁ、なん…!?」
「君への、嫌がらせだよ…こうやって、一緒にさ、セックスしよう」
「セッ、ク…?!何、だよそれ、おかしい、だろ…!」
「おかしくないよ、もう俺たち25だよ?ガキじゃないんだから」

確かに、この腰つきで子供だとは言い難いが、そういう問題ではない。

「他高生と喧嘩させたりは学生の内で飽きちゃったから、今度からは君にエッチな嫌がらせをしようと思う」

その楽しげな言い方に、静雄は少なからず納得の行かない気持ちになったが、
突かれ続けている今の状況ではあまり考えがまとまらなかった。

「あ、ぁ…あー!」
「シズちゃんも満更じゃなさそうだし、嫌がらせにならないかもしれないけどね」
「いざ、腰、いてぇ、あんま、抜く、な…ッ」
「入れたままがいい?」
「入れ、んな!」
「いやいや、この状況でどっちも無理」

乾いた笑いを零し、お構いなしにピストンを続けた。

「ひいっ、あ…、もう、無理だ、っつってん、のに…!」
「…仕方ないなぁ、じゃあ初めてだし、このくらいにしておいてあげる」

甘い吐息を吐いてから、体勢を整え直した。
静雄の腰に腕を回して下から激しく突きたてる。

「はぁ、う…、ンあああああっ!!」
「ハハ…!…はぁ……イく」

臨也は果てる瞬間、胸を反らせて痙攣している静雄の尖った突起を思い切り噛んだ。
その行為にさえ、静雄は甘い叫びを大きく発した。


意識が飛んでしまった静雄が次に気付いた時には、シャワールームの湯気が髪をしっとり濡らしていた。
バスタブにうつ伏せで持たれかけており、後ろを向くと裸の臨也がこちらに気付く。

チョコレートでベトついた身体はすっかり流されており、臨也も静雄も一糸纏わぬ状態で互いを意識する。

「気付いた?俺中出ししたから、掻きだしてあげようかと思って」
「!?い、いらねぇ!」
「…自分で出来るの?」

へぇ?じゃあやってみなよ、とバカにしたような顔で見下ろしてくる。

「テメェ、俺にあんなことして…ッこの変態野郎!」
「うん?そうだねぇ、うん」
「あぁ!?」

素直に認めた臨也に、目を丸くする。
臨也は静雄の腰を突き出させ、遠慮なしに後孔を左右に拡げた。

「ちょっ」
「赤くなってるけど、切れてはないよ。ほら、出てきた…」
「んあああ」

再び襲ってきた感覚に身を震わせて下を向くと、お湯と一緒にチョコレートの茶色と臨也の放った白濁とが混じって流れていった。
指を入れられて電気が脳内に走る。

「中に、出してんじゃねぇ、よ!クソ!」
「…シズちゃん、もう一回していいかな」
「な!?ぜってぇ無理だ!やめっ、…あああああっ」

否応なしにまた硬くて大きいものを入れられる。
さっきよりもスムーズに抜き差しが出きており痛みも少なかったが、皮肉にもその分快楽は増していた。
静雄はあまりの快楽に涙を溢れさせる。

「んあぁあぁ…、もう、いや、だ、ああぁあッ」
「あはは!可愛い、たまんない…」

そうして、静雄は夜通し臨也に嫌がらせとして、バレンタインのプレゼントを改めて貰う事になってしまった。
イベントを利用しての結果だったが、臨也自身はいずれ静雄にこうする手筈だったというのは静雄には内緒の話。

一生分掛けての嫌がらせだと、臨也は言う。
だが、俗に人はこれを…
まぁ、言わずとも判るだろう。

それはまるで、チョコレートのように甘くて苦くて、ねっとりと纏わりついてしつこいのだ。


チョコレィト・メッシー



2012/02/14
食べ物を粗末にしてはいけないのですが、したい表現だったので…。
ケーキは最後まで美味しく頂きました。静雄ごとね。


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