セクスティニエ 7
「ッ…」
硬く上を向いている臨也のソレを、さきほどまで口に含んでいたかと思うと、腰が震えた。
「は、はいんのか、そんなん」
戸惑いを隠すために、ベタな台詞が口から滑った。
「…はーん?」
臨也は半眼になり、小首をかしげる。
「そんな期待染みた顔して何言ってんの?わざと?」
そう言いながら右腕を挙げ、二本指を立たせる。
「わざとなら随分じゃない?」
「な…!んぐっ」
そして、突然口の中へと指を突っ込まれる。
静雄の舌を細い指が食み、口内を犯してゆく。
「ふっ…ぅん!」
「エロい顔だね…。今まで想像もしなかった、よ」
指を入れたまま、静雄に顔を近づけて舌を伸ばし、彼の口端を下から舐め上げた。
「!ふぅ、ん!…はっ」
ちゅぽ
普通の人とは違う静雄でも、臨也なりに一応気遣ってのことだ。
指を抜くと、唾液が糸のように線を描いた。
それを少し追うように静雄は前のめりになる。
その後、彼の胸元に手を這わせ、先ほど静雄が出した白濁と指とを絡めた。
ピチャ…
「!む、胸…ぇ」
絡め取るためだけに触れただけというのに、身体を反って反応する静雄に苦笑した。
手を離すと、名残惜しそうに臨也の手先を視線で追いかける静雄を一瞥してから、臨也は自身のモノに塗りたくった。
「ん…」
思っていた通りの何ともいえない顔で様子を見つめてくる表情を、臨也は垣間見る。
「…四つん這いになって」
何かがプツリとなりそうになり、誤魔化すかのようにそう言い放つと、今更恥ずかしがってうろたえる静雄に対して軽く尻を叩いて促した。
ぺちっ
「いっ」
「ほら」
振り返る静雄は不安と期待に満ちた複雑な表情をしていた。
「後ろ向くのか…?」
「一番安全だから」
ベタな理由だが、本当だから仕方ない。
紳士のつもりだったが、何故だろう、男同士の場合だからか違和感が拭えない。
先端を宛がうと、びくんっ、と静雄の腰がはねる。
「い、臨也」
「俺とシズちゃんがまさかセックスするなんてね」
くぷ…
「あ、…!あぁっ!」
「ナイフは刺さらないくせに…ッ。笑い話にも、ならない…」
腰を掴み、みちみちと、質量が静雄を攻めていく。
静雄は圧迫感を感じながらも、身勝手に自身の内壁が臨也を奥へと引きずり込む。
「――あああああ…ッッ!!!!」
静雄は枕に額を押し付けてシーツを握り締めた。
臨也は静雄の腰を両手で掴み直し、深く、突き刺していく。
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