セクスティニエ 5
「あっ、あ…!」
「あれ、今のでイッちゃった?」
まさか!と、震えている静雄を見ながら判りきったことを聞く。
「俺の脚が良かったのかな?それともキス?」
「う…う、全部」
ゴシゴシと生理的な涙を腕で拭って快楽に耐える静雄を見て、妙な苛立ちを覚えた。
(あーあ、こんなシズちゃん、初めてだよ。 いつもの迫力はどこにいったの、全く…)
「…呆れてんだろ」
眉を顰めつつ、不安げに聞いてくる。
(違うよ、こうなるんなら、もっと早く…。………くそっ)
「俺自身に、ちょっとね。こっちの話だよ」
意地の悪そうな目を向けると、静雄はその目線だけでまた下肢が熱くなるのを感じた。
「…ねぇ、その中、今どうなってるんだろうね?」
「う…」
「きっとぐっちゃぐちゃに濡れてる、よね?シズちゃん?」
臨也は静雄の腰に両手を添えて黒いボクサーパンツをゆっくりと下げていった。
すると、反り返った静雄のソレが浮いてくる。
「ッてめ、何して」
「ちょっと…コレ、でかすぎじゃない?」
ぐぐっと下へと引っ張ることで、上に反り返ったものとが対照的になる。
染みを作って布越しに体液がにじみ出ていた。
「臨也…っいてぇっ…ん!」
足の付け根辺りまで下着を引っ張ると、大きく主張したものがぶるん、と現れた。
ほとばしる先走りと、先ほど達した白濁で静雄の股は酷く濡れそぼっていた。
「えっろ。駄々漏れ」
先ほど達したというのに痛々しいほど硬くなっているのを見て、 臨也は唾を飲み込んだ。
そして、脱がした下着を、何故か器用に畳んでゴミ箱へ捨てた。
その動作が意味不明で静雄は叫ぶ。
「おい!なにしやがる!」
「今度俺がシズちゃんの下着を買ってあげるよ。」
「ちがっ、そうじゃねぇだろ!どうやって帰れっつーんだよ!ていうか捨てるのに畳むやつがあるか!」
ゴミ箱を指差しながら抗議するも、シャツを羽織っただけの全裸が情けなくなって直ぐに黙り込む。
「帰りは俺のを穿くか、ノーパンだね。あ、そういうプレイしてみる?」
最早、喜ばせるだけの言葉と知りながらも臨也は無自覚で言いつける。
無論赤面されるのは結果論で。 黙り込んで目線を泳がせている静雄を見ながら、臨也は溜息を吐きつつも、手を伸ばした。
「…シズちゃん直ぐイくんだから、我慢してよ」
「!んなこといったって無…」
ぎゅ
「うっ」
右手を添えて、ゆるりと擦り上げる。
「あっ」
臨也は顔をその位置まで下げ、舌を伸ばして、先端をつつく。
「〜〜…!あっ、ぁ、いざっ」
「さきっほなめたらけでしょ」
舌を出しながら吐息と一緒に話すとまた大きく反応した。 静雄は我慢できずに足を広げて真ん中で動く黒いものから顔を背けた。
信じられない感触に、強過ぎて受け入れるのに時間が掛かる。
「臨也、無理、もう」
「まだ銜えてないってば。我慢しろ」
ぎゅうっと強く掴まれる。
「ひっ!」
「俺の口の中、じっくり味わってね…」
切れ長の美しい目で見上げられる。 クラクラした。
そして― 柔らかで温かくて濡れているものに、包み込まれた。
「…!あああっ、嫌、だ!臨、也ぁあッ」
気持ち良過ぎて頭がおかしくなりそうだった。
わざとなのか、音を鳴らして息を吹きかけられる。
ちゅくちゅくと、舌先で舐め上げられ、弾力を持った体液が唾液と混ざる。
「ん…顎痛い」
臨也の薄い唇が目一杯と広げられ、いつも自分で扱っていた下肢が慰められていると思うと、静雄は感極まる。
「いざやっ、臨、也…!いきた、い!いきそ」
「らめ」
ぎゅう、と更にきつく握り締められ、血管が浮き出てくる。
まるで割れる寸前の風船のように、大きく膨らんだ。
「んっ、ぁ…はぁ、…案外舐められるもんだね…フフ」
「ぁあああああっ」
満足げに見上げてくる赤い瞳に射止められる。臨也が囁いた。
「そんなにイきたいの?」
静雄は即座に頷く。
「い、いざ…や、一つ聞いていいか・・・?」
「どうぞ」
ちゅっ、と側面にキスをされる。
「ん…ッ、こ、こんな気持ち良いなんて、想像できなく、てよぉ」
目に生理的な涙が浮かぶ。
「そ、そこにてめぇの顔があるだけで、も、無理、むり」
しゃくりあげる限界にまできている静雄は、眉を顰めて訴えた。
臨也は思う、何とも愛おしい、と。
「フェラだけでこんなんじゃ、最後までいけないよ?」
「さ、最後って…?」
左手で握りこんだまま、右手の人差し指を静雄の股下へ滑り込ませた。
丁度入り口を摩る。
「ひっ!」
「ココに入れるんだよ。まさかAVも見たことないとか言わないよね?」
「…ッみ、た事ある、けど、俺が入れられんの、か…?」
臨也、本日何度目かの驚異だった。
「ぇええっと…シズちゃんに入れられたら俺はきっと死ぬと思うから、勘弁してくれるかな」
「…?」
息を切らしながらだと思考が上手く働かないようで、静雄は中央に意識して堪えているばかりだ。
話を反らそうと臨也は再度擦り上げていく。 すると、
「ふっ、くぅ…んはっぁああ!!!」
「!えー」
勢い良く飛び出た静雄の精液は、見事に臨也の右手と静雄自身の胸元に降り注がれた。
大きく肩を揺らして焦点が合わなくなっている静雄を見上げ、臨也は半眼になる。
「ちょっと、イく前に何かあるでしょ…空気読めよ空気!」
「はぁ…っはぁ、さっき、から握ってて!いきなり動かされたら、出るッ、に、決まってん、だろーが…!」
やや起き上がって2人はいつも通りの言い合いをする。
まぁ、内容は異なっているが。
「ふん、それでまだそんななの?性欲まで化け物なんだね」
若干びびっている臨也だったが、腕を組んで余裕ぶる。
静雄の下肢は萎えることがなく、先ほどの絶頂がなかったことになっているかのように依然、硬く存在していた。
静雄は拳を鳴らして堂々と笑ってみせる。
「何だ、今更びびってんのか?言っておくが、今日は過去最高記録になる予感がするぜ…?」
「へぇ?俺まだ一回もイッてないんだけどね?」
そういうと、静雄は臨也の下半身を凝視する。
即座に手を伸ばし、ベッドに背中から倒させる。
「っな!」
バフンッ
「いっつも澄ました顔しやがって、てめぇも脱げ!」
ズボンに手をかけ、あっという間にずり下ろすと、臨也もまた硬く存在していることに胸が高鳴った。
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