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※トムシズ前提のイザシズ。
2人はセフレ設定


シズちゃんは上司である田中トムと付き合っている。
俺とシズちゃんは犬猿の仲、腐れ縁、…挙句何を血迷ったかセックスフレンドというやつでもある。


ダンダンッ


「ドア壊れるやめて」

ガチャ

「…はいはい、どうしたの」
「今、良いか」
「玄関口でそれ言われてもね。駄目だったら追い返して良いわけ?」

シズちゃんは俯き加減にふて腐れている様子。
状況を把握し、入って良いよとドアを開けたまま俺は中へ入った。

全く、コーヒーを入れたばかりの俺のブレイクタイムが台無しだ。

突然の訪問で無言を通すシズちゃんは決まってトムさんとの喧嘩が原因だ。
もう慣れてしまった。

「で?話を聞いて欲しいの、それともしたいの?」
「…」

寝室のドアを開けながら壁にもたれかかり腕を組むと、シズちゃんは何も言わず抱きついてきた。




--------



「あっ、あっ、いざやぁ…!そこ…ッ」

テーブルの上では既に冷めたコーヒーカップが静かに佇んでいる。

煩いのは身体が引っ付いては離れる粘着性のある水音だけだ。

日に日にシズちゃんの身体は男を受け入れるのが上手になっていっているのを、俺は自身で嫌というほど感じていた。

「また喧嘩したの?」
「るせっ…今その話、すんな、ぁ!」
「ふーん、まぁどうでも良いけど」

首を傾げてもシズちゃんには俺は見えない。
後ろからいやらしい尻を見下ろしながら俺のモノが入り込む様子を眺めていた。

「いざやっ、気持ち良いっ、それ…!」
「シズちゃんさぁ…もしかして欲求不満なの?彼とちゃんとセックスしてる?」
「あ、あっ、だま、れ…ッ」
「…俺の方が上手ってことか。身体の相性も良いしねぇ」

笑いながら腰を進めるとシズちゃんの形の良い尻が震えた。
どうしてか少し優越感が生まれる。
まぁそんなことはどうでもいいんだけど。

「ちゃんと仲直りしろよ」
「だからっ、今その話すんじゃ、ねぇ…ッあっ」

仕事帰りだったのか、彼のお決まりのバーテン服は乱れに乱れている。

「今は俺に彼女が居ないからこうしてあげられるけど、いつまでも慰めてあげられないよ?セックスなんて愛がなくても出来るけど、男とヤれる俺ってどうなの、終わってるよねー、彼女作ろうかな」

「!…お、女…と、付き合ったら…もう」

振り向いて見上げてくる横顔が不安でいっぱいになっている。
あくまで自分基準で俺とのセックスを望んでいたということだろう。

田中とどういう付き合いをしているか、こうしていると何となく判ってしまう。
知っている。
シズちゃんだって元々はノンケだということを。

「でもアナルの方が締まるから、女でイけなくなったらシズちゃんの所為だね」
「いざや、俺、やっぱり…」

何かを言おうとする口を、言葉で被せる。

「シズちゃんの中、気持ちいー。シズちゃんは?」
「!良いっ、良い…っ、イっても…良いか…?」
「えー、まだ駄目」
「い、いざやァ…!いやだっ」


手を伸ばしてシズちゃんの大きなそれを握りこむ。
これを使ったことがないなんて勿体無いね。
俺より一回りは大きいのに。


「シズちゃんそんな事言って、焦らされるの好きだろう」

顔を赤くしたシズちゃんは図星のようで、シーツに顔を伏せてしまった。

「あ!そういえば、運び屋が気にしてたよ」
「あっ、あっ、セ、セルティ…が?…ッ」

相変わらずピストンを続けながら普通の会話をする、いつものことだ。

「うん、最近静雄が元気ない、お前が何かしたのかって聞かれた。あはは!してるとするとセックスくらいなのにね?」
「んんんっ、イくっ、イくっ、臨也、手、離せぇ…ッ」

涙目で訴えかける顔を見て満足した俺は、手を離してラストスパートをかける。
身体を屈めて、シズちゃんの耳元で囁いた。

「ねぇ、中に出して良い?シズちゃん…」
「良いっ、中、出せ…ッああっ」

ま、聞かなくてもいつも中に出しているんだけどね。


俺は肉付きの良い腰を更に強く掴んで腰を落とした。

「ん、あ、ああァッ」

身体が大きく上下にびくついた瞬間、ベッドのシーツも破れた。
もう何度目だろう。

「フフ、気持ちよかった」
「ッは、あ、ぬ、抜くな…ッ、もう一回…」
「えー、田中さんに抱いてもらえよ、バレても知らないよ?」
「臨也」
「…はいはい。しょうがないなぁ」


そうやって、今回もまた、俺たちは良く判らない関係を続けては、溝を作り、溺れていくのだ。


シズちゃんの情けなくてエロい表情見れるなら、都合の良い俺で全然良いけどね。



End.

INCOHERENT
「カラダからはじめようか」



2013/03/21執筆

単にシズちゃんはトムさんと口喧嘩しただけっていう。
友達なのにセックスをするっていうのはどういう心境なのか、していく内に好きになったり、情が出たりするかもしれない。

だっていつもなら見ない一面見てしまうわけですから。

だから臨也と静雄がセフレから始まる関係もおいしいな。
ああ美味しい。




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