「死にたい」
「なら今すぐ消えれば済むことだろう」

割と真面目に死にたい。その原因はとても簡単なことだ、そう今はテスト期間。大学による大量のレポートとテスト攻撃で私は心を折られているのだ。近界民だったら一匹残らず撃ち落としてやるというのに、という野望もレポートに対しては一切の威力を為さない。あああああもう、なんでこんなになるまで放っておいたんだ自分、本当に馬鹿なのか? そうだよ馬鹿だよ、そうじゃなきゃここまでテスト勉強せずにレポートも放置しないよ。世の中の頭いい人間はスケジュール建てて効率的にこなしていくもんだよ。それはテストだろうが任務だろうが変わらないはずなんだけどな………はあ…。

「いや、今までの忙しさなんて全部茶番だったのよ、そう…真に恐ろしいのはこの学期だったのね…ああ……」
「非効率な女だな、お前は」
「わかってるわそんなこと…そういう二宮はどうなのよ、あんた大学行くとこほとんど見てないんだけど単位取ってんの?」
「お前と違って馬鹿ではないからな、最低限の出席で最高の成績を取りに行く」
「うわゴミ大学生じゃん…それ太刀川と言ってる事変わんないよ」
「あのバカと違って俺は単位を取ってるからな」
「いやまあそこは否定しないけど」

このクズ野郎…。確かに二宮は典型的な大学生の模範と言えるかもしれない。休める最大まで講義をサボりつつ単位を取っていくのは良く行われる手法だ。太刀川はそれを間違えて落としたりするけど。いやしかし、そういうわけにもいかないんだよ。それは二宮ぐらい頭が良いからこそできることなのだろう。私だってそのぐらい要領が良ければとっくにそうしている。授業はちゃんと出ようがテストで決まるのだからテストさえできればいいのだ、そうテストさえできれば。

「大体さっきからおまえ、手が動いてないぞ」
「この理論がわからないから一向に進まないのよ!ったく…」
「どれ…………はあ、まあ最善は尽くすんだな」
「あんたわかんないくせに何でそんな偉そうなの」
「おまえの専門分野と180度違うからな」

大学というのはこれがネックなのだ。同じ大学に通っていようが学部が違えば広義は当然異なる。専門分野になればなるほど講義を取っている人間は少なくなる。はあ…大学で勉強すればよかった、本部じゃマジで何も頼りにならないし捗らないぞ。

「ねえ二宮」
「何だ」
「私今期フル単だったらなんかしてよ」
「雑だな、おまえがフル単は絶対にないから安心しろ」
「蜂の巣にするわよ」
「やるか?」
「…………息抜きで3本」


当然ながら負けた。


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