赤ずきん
「知っているかい狼?町で僕らは“捕食カップル”だなんて呼ばれているみたいだよ」
「ほ、捕食カップル?ですか…それはまた、ピッタリな」
「まあ、そうだね。僕が狼を食べちゃってるから合ってはいるけれど…」
「赤ずきんさんっ!?」
「ふふ。ごめんごめん」
「もう…。それで何か気に食わないことがありましたか?……狼(私)と居るせいで赤ずきんさんの気に触る事を言われたり…」
「まさか!町の人間は狼に好意的だよ?(狼の悪口を言う奴らにはお仕置きしたからね?)」
「…赤ずきんさんが何もされていないなら良かったです。赤ずきんさんと居られなくなったら寂しいですから」
「狼ったら…そんな可愛いことばっかり言うと食べちゃうよ?」
「ま、まだ昼間ですよ!赤ずきんさん!」
「昼でも夜でも、僕は狼を愛でたいんだよ。……ああ、そういえば狼?」
「な、なんですか?(ちょ、超絶笑顔が逆に怖い)」
「最近猟師に会ったりした?(照れてる狼もビクビクしてる狼もかあいいなぁ)」
「猟師さんですか?はい、この前花畑に行ったときにお会いしましたけれど」
「ふうん?(あの男まだ狼を狙ってやがるのか……狼が誰のものかちゃんと分からせないといけないなぁ)」
「(あ、悪魔の笑みです…!)あ、赤ずきんさん?」
「ねえ狼。ちょっとおいで(手招き)」
「え?な、なんでしょう?(首傾げながら近付く)」
「無防備な狼も可愛い。でもちょっとは警戒しようね?」
「キャッ、あ、赤ずきんさん!何するんですか!?」
「ん?何って……狼にマーキングしようかなって」
「マーキングって…っ!だからまだ日が」
「うん。でも僕言ったよね?昼でも夜でも狼を愛でたいって」
「え、えぇと」
「狼の身体を僕の匂いでいっぱいにしてあげるから、―――覚悟してね?」
【捕食者な赤ずきんと捕食される狼】
end...