白雪姫3


※白雪パパ×継母
※時系列では白雪姫よりも少し前


◇◆


妻を亡くしてから数年。
街で見掛けたとある少女に一目惚れをした。
国王は直ぐ様、国の最高権力者としての力を使い結婚を申し込んだ。


そうして手に入れた後妻である奥さん。
ツンデレで不器用だけれどめちゃくちゃ可愛い。
めちゃくちゃ可愛い。(大事な事なので二度言いました)


けれど愛娘である白雪と奥さんはあまり上手くいっていないようだ。
一体どうしたものか。
そんなことを考えつつも、頭の中は奥さん可愛いで一杯だ。
執務の最中でも、大事な会議の最中でも。
とりあえず舐め回したい。ぐちゃぐちゃのでろでろにしたい。なんて事を考えていたりするのです。(意味が分からない方はそのままで居て下さいネ☆)


自分の夫が欲望100%だとは知らない継母は、ただただ優しくたまに変態だなぁ、とは思いつつやっぱり優しい夫だと思っています。


そんなある日。
ついに白雪姫は継母との確執に耐えられず城を出て行ってしまいました。
これには流石に国王も驚きを隠せません。え?いや、本当だって。
そりゃあほんの一瞬だけ「と、言う事は2人っきりってことじゃないですかヤッタネ」とか思って滾りましたが。
流石に愛娘は心配です。


国王は愛娘を探す為に兵隊を使い国中を探させました。
そして小人が住むという森に白雪姫らしい少女が居ると報告を受け……た所までは良かったのですが。
なんと継母が国王もビックリな言葉を言い放ったのです。



「わたくしが白雪姫を探して連れ戻して来ますわ」

「え、いやでも。あの子はかなり強情だし、」



それに君をあまり好いてはいないから。だなんて継母を溺愛している国王が言えるわけもなく。
お忍びとして目立たない黒いローブを身に纏った継母を引き留めようと両腕を掴みます。



「君が行くことはないよ。兵を送って連れ帰らせればいいだけじゃないか」

「いけません!白雪姫がわたくしを好きじゃないのくらい分かっています。それでもわたくしが行かなければ何も進みませんから」

「……もう決めちゃったんだね」

「陛下……申し訳ありません」



それでも行かないと撤回しないのだから困ったものです。
そんな奥さんに惚れたのだからしょうがないかと国王は溜め息を一つ吐きました。



「じゃあ白雪がもし帰ってこないなんて言ったらこれだけ差し入れに持っていってあげて?」

「……りんご?」

「うん。あの子の“大好物”なんだ」

「分かりましたわ!必ずお渡しします」



そう言ってペコリとお辞儀をする奥さん。
一応の護衛として腕の良い狩人を付けさせました。
狩人は国王の底冷えするような微笑みと「もし“万が一”なんてあったら……」の言葉に一瞬凍り付きます。
ですがそこは狩人。
持ち前の忍耐力で一礼すると、継母と連れ立って森に向かいました。
残った国王は私室でぽつりと呟きます。



「私とあの子の時間を邪魔する白雪には、少し仕置きが必要だよね?」



国王は勿論、りんごを見た瞬間に吐くほど、白雪姫がりんご嫌いなのを知っていました。
知っていて尚、好物だと嘯(うそぶ)いてそれを知らない継母に持たせたのです。
非道すぎるだろという声が聞こえない訳ではないですが、敢えてそれを無視するのが国王の長所とも言えましょう。


ただ国王も誤算だったのは、継母がりんごを隠しもせずバスケットに入れて白雪姫に会ってしまった事でしょうか。
りんごを見た白雪姫が条件反射のように数分もしないうちに全てを吐き出した事も知らずに(白雪姫参照)国王は白雪姫へのお仕置きを考えつつ。
半年振りの愛娘の帰還の準備を進めさせました。



まあ、吐いてしまった事を知っても「家出娘にこれくらいの仕置きは構わないだろう?」と微笑んだのは、白雪姫が帰ってきてからのこと。


【継母と(継母限定で)優しい国王様】


end...

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