白雪姫2


継母に嫌われ城を追い出されてから半年。
心優しく時に変態な小人達に囲まれながら城に居たときよりも平穏に暮らしていた。
やはり常時継母からの嫌味やら嫌がらせが堪えていたのだろう。
多少、小人からセクハラは受けるが今の生活はかなり快適だった。
城を出る時にはかさついたお肌が今ではつるすべだ。卵肌きゃっほい!

ごほん。話も戻して。
けれど卵肌に浮かれても居られなかった。
白雪姫こと私のストレスの元が現れました。
そうです。継母です。
しかもまさか、視界に入れたくもない赤いアレを大量に持って。

正直ふざけんなよばばぁ!とは思いました。
いい加減若くないんだからちょっとは落ち着け、とも。
けれどそんなことを言う間もなく、あろうことか継母は赤いアレを私に食べさせようとするじゃあありませんか!

皆様。前回の白雪姫をお読みになっていらっしゃられるのならもうお分かりですね?
ええ。吐きました。あの赤いアレを見ただけで。憎すぎるアレをアレしてアレしてやる!
…あれ?アレってなんだっけ。アレアレ言い過ぎてアレがゲシュタリました。
まあ必要性を感じませんし大丈夫でしょう。

しかしここで奇跡が起こりました。
あまりにもゲーゲー(お食事中の方は申し訳ありません)していたら、なんと継母が介抱してくれたのです!
しかも「りんごが駄目なら駄目って言いなさいよ!今まで食卓に普通に出しちゃってたじゃない!」なんて言われました。
言葉とは正反対に顔は心配そのもので……なんでしょうか?不覚にも可愛く思えました。
これが世に言うギャップ萌え!
父が惚れたのも分かります。
今まではストレスの元でしかなかったですが、案外話してみたら気が合うかも知れませんね。

で、だ。
継母の優しさにきゅんきゅん胸を高鳴らせているとそいつらは現れた。
そうです。小人です。


「オレの白雪姫。こんなところで何をしているんだい?」

「あ?」

「ああっ!その蔑んだ眼差し!いい!とてもいいよ!もっとオレを蔑んで!見下して!!」


誰がお前のだ。
そんな意味を込めた目で見た瞬間、これだよ。
ちょっと変態な小人達。
正確に言えばかなり変態な小人達。
しかも小人と言いながら身長は高い。縮め!と無意識に言うくらいに高い。

そしてこんなのが後3人居る。
噂では7人だったけれど、仲間の変態具合に付き合いきれなくなって家を出たらしい。
どんだけ!?と内心で思った。内心で。(重要な事なので二回言います)
口に出した瞬間に奴等にはご褒美になる。恐怖だ。


「……白雪、こちら誰かしら?」

「ああ、お気にせず。お母様が気に掛けるような人間じゃありませんよ」

「やはり白雪様のお母様でしたか!初めまして!自分は白雪様の下僕の「小人1」小人1でございます!」


流石自分で下僕と名乗るほどはある。
名前をアッサリと捨てて適当に言った小人1を名乗った。


「お母様に是非お会いしたいと思っていたのですよ!!」

「は?なんで」

「ああ!白雪様嫉妬ですか!?この愚かなる豚に嫉妬をして下さるのですか!?なんとお優しい!さすが白雪様!!」

「うるさい黙れ」

「はぁん…!白雪様ぁぁぁっ」


悶え転がる小人1。
小人の登場で吐き気はすっきり無くなった私はそれを白い目で見る。
そっと袖を捕まれた。
そこには眉を八の字に下げた継母。



「………………お家、帰ってくる?」

「………………うん」


【白雪姫の下僕とツンデレな継母】


end...


どうあがいてもドMしか生まれない。

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