白雪姫
継母に城から追い出されて早半年。白雪姫は7人の小人に囲まれて自由気ままに暮らしている。
城に居た頃よりも数倍肌が艶やかだ。やはり継母とのいさかいで少なからずストレスが溜まっていたのだろう。
「小人達に頼まれたのはこれで全部かな?」
おやつに使う木の実や果物を籠一杯に詰めて、さて家に帰ろうと踵を返す。……かえ、す?
「……どちら様?」
「おや、可愛らしいお嬢さん?よければこのリンゴは如何かね?」
「……りんご…」
背後を向いた先に居たのは黒いローブを纏った声からして老女は、今気づいたと言わんばかりに籠一杯の真っ赤なリンゴを見せる。
普通に考えて怪しい。というか知らない人から貰ったものは食べちゃいけないって小人に言われてるし。
とか、頭を過ったけれど。
何よりも先にその言葉は吐き出されていた。
「すみません。私リンゴ駄目なんで。大丈夫です」
「……え。いやいや、え?」
「見るのも駄目で……すみません」
「いや、一個くら「うぇ…はきます」ええええええ!?ちょっ、!?誰かああああ!!」
【りんご嫌いな白雪姫】
end...