赤ずきんVer.4


「わたしとおばあちゃんを助けてくれた猟師さんが一緒だもの。大丈夫よ」


そう言っては森に入る許可を両親から得るらしい赤いずきんを被ったお嬢さん。
狼に食われそうになったのだ。もう森に入るのは止せと誰がどれだけ言っても聞きやしねぇ。


あのお嬢さんは分かっているのか。
信頼を寄せる俺が『男』なんだってことを。
そんな信頼していいほど良い大人ってわけでもねーんたけどなァ。
何せこちとら。いつかお嬢さんを食っちまう狼に変わっちまうかも知れねぇんだから。





「ま、ガキにそんな気を起こすほど餓えちゃいねぇがな」

「だったらいい加減僕を誘わないでくださいよ。彼女を食べようとした狼が、今度は彼女を貴方から守るだなんて意味が分かりません」

「うっせぇな!あのガキがどんどん成長すんのが悪りぃんだよ!」

「ああ。女の子はある日突然綺麗になりますからね。彼女も少女から女性に変わりつつありますし、色々大変でしょう。良い気味です」

「どてっ腹に鉛撃ち込まれたくなき黙れ」

「それは嫌ですね。痛いのはごめんですから。ああ、でも僕を撃ったら貴方がこれから困るんですよね?それもまた見物でしょうねぇ」

「お前ほんっと性格悪いよなっ!」

「褒め言葉です」


【赤ずきんを食べたい猟師と性格の悪い狼】


end...


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