桃太郎


※もろ下ネタ!な発言がかなりあります。
苦手な方はご注意下さい。




昔々。おじいさんが山で芝刈りを。おばあさんが川で洗濯をしていると大きな大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。
その桃をおばあさんは持ち帰ると、帰って来たおじいさんと一緒に包丁でスパン!と縦に真っ二つに割ったのです。
そうすると中から「おぎゃあ!おぎゃあ!」と元気な鳴き声を上げる男の赤ちゃんが出てきたではないですか。
おじいさんとおばあさんは大層驚きながらもその赤ちゃんに『桃太郎』と名付け、それはそれは大切に育てました。


「って、言われてるけどさ。普通に考えて桃から人間が生まれるわけねぇべ?普通の人間とおんなじ様にばあちゃんの股の間から生まれてきたっての」

「敵ながらその発言はどうかと思うぞ桃太郎。自分の存在価値全否定じゃないか」

「いや、それがな。流れてきた桃を食ったじいちゃんとばあちゃんが若返ってアレやコレやして出来たから桃太郎としては成り立ってんだよ」

「やめろ。もし万が一鬼の子に聞かれたら対処出来ない発言はやめろ」

「そうやって子供は大人になっていくんだよ。むしろキチンと性教育をしないと今時のガキはすぐにやれ処女だ、童貞だと馬鹿にすんだよ。むしろ穢れ無き身体だと誇れガキ共」

「実はお前が言われた言葉だろう」

「うるさい黙れペチャパイ」

「貧乳で悪かったな!」

「本当だっつうの。なんで鬼がペチャパイなの?そんな誘ってるとしか思えない服ってか布切れで過ごしときながらなんで魅力半減してんの?オレの期待と興奮で眠れなかった夜をどうしてくれんだよ」

「黙れ童貞!」

「うるせえペチャパイ」

「というかお前はいつまで鬼ヶ島に居る気だ!いい加減帰れよ!財宝持ったあのお供だけ返して何やってんの?こちとらお前にやられた鬼が怯えて困ってんだよどうしてくれんだよ動ける戦士が私しか居ないんだぞ!?」

「だってオレまだ一番欲しい財宝貰ってないし」

「はあ?」


いや、だからさ。


「お前嫁に貰いたいからお前がオレを好きになってくれんの待ってんの」

「……は、え、はあっ!?」

「だからオレに帰って欲しかったら早くオレのもんになってね?お前の言う通り童貞なんで変な病気とか持ってないから安心していいよ」

「……その口説き方はどうかと思うぞ」

「何とでも。つーか、効果はあったみたいだから良いんだよ」


なあ?と首を傾げれば、顔を真っ赤にさせた鬼は「わたしは赤鬼だから元から赤いんだよ!」と怒った。
その照れ隠しに益々彼女が可愛く見えるのだと、きっとこの肌の白い鬼は知らないのだ。


【鬼に惚れた桃太郎】


end...

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