芳隆と春乃
「芳くんの字、綺麗ね〜」

「どったの?突然」

「芳くんの字を見てたらそう思っただけだよ〜。綺麗な字だなぁって」


ほわほわと笑う春乃に顔を覆いたくなった。
だって可愛すぎる!何この生き物!?やっべぇー閉じ込めたい。俺だけの春乃にしたい。いや俺だけの春乃なんだけどね?


あまりの可愛らしさに悶え打つ俺の胸中だなんて知りもしない春乃はほわほわとした空気を崩す事なく「私、芳くんの字好きだな〜」なんて言いましたとさ。まる。


「いやまるじゃないよ!?」

「どうしたの芳くん?」

「えっ?いや、なんでもない」

「そう?それなら良いんだけど。芳くん生徒会のお仕事大変なんでしょう?疲れてるんじゃないの?」

「いや全然。全く疲れてないよ」


むしろ春乃と2人きりの時間を作る為なら睡眠時間を削って徹夜しようが構わないし。
というかそんな疲れすら吹っ飛ばしてくれる春乃超愛してる。


「芳くんがそう言うなら良いんだけど……あ!芳くん。良いことを思い付きましたぞ!」

「んん?なぁに?」

「お疲れの芳くんに膝枕してあげます!存分に寝ていいよ!」


ああ春乃ホント可愛いなぁ。天使だよね?むしろ女神?だなんて思っていた時に聞こえた春乃の言葉にピキリと固まる。
今俺の聞き間違いや妄想でなければ春乃は膝枕とか言わなかったか?
いやいやそんな馬鹿な。夢じゃあるまいし。現実だからここ。あれ?現実?現実だとしたら春乃が言った膝枕は本当だってことか?


「は、春乃?」


春乃は俺を殺しに掛かってるの?
想像するだけで鼻血が出てきそうになるんだけど。
だが春乃は名案だとばかりに顔を輝かせている。
これは断りづらい。


「なぁに芳くん?」

「……いや、膝枕なんだけどね」

「うん!まっかせて!!」

「………………お願いします」


期待に膨らんだ顔をする春乃を見てどうして断れようか。
春乃の膝枕案を受け入れれば、春乃はふんっと腕捲りする仕草を見せて俺のベッドに座ると、ぽんぽんと自分の膝を叩いた。
俺は意を決して誘われるがままに春乃の膝に頭を乗せた。




結論だけ言うなら鼻血は出なかった。
ただし春乃の太ももが柔らか過ぎて色々とヤバかった事だけは言っておこう。


end...


prev 戻る next
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -