体育館の点検だとかで部活がオフになったからランニングに行ったら帰り道になまえに会った。
「これから帰るとこ?」
頷く。
「遊びに行っていい?」
どうせ家に誰もいないからなまえが家に来るのはどうってことない。また頷くと余程暇だったのか彼女は「やったー!」と声を上げた。このところ部活ばかりだったからなまえが家に来るのは久しぶりだ。
「今日部活ないの?なんで?」「私は暇すぎて商店街のほうぶらぶらしてた」などなまえの話に適当に返事をしながら自室に入ると、彼女は今更かしこまって「おじゃまします」と言いながら付いてきた。
「俺はシャワー浴びてくるから」
「分かった!」
カーペットの上に座り込んだ彼女の姿を確認して自室を出る。俺の部屋そんなマンガとかねぇけどアイツどうやって待ってるつもりなんだろう。

手早くシャワーを済ませて部屋に戻ると、なまえは熱心に月バリを読み耽っていた。上から覗き込むと及川さんのページでムカついた。
「びっ!くりしたー!上がるの早すぎ」
「集中しすぎだろ」
「及川さんやっぱ格好いいね」
「性格悪いけどな」
勉強机の上に置いてあった爪切りとヤスリを手に取ってなまえの正面にあぐらを組むと、興味深そうにこちらを見てくる。シャワーの後だと爪が柔らかくなってるからうっかり削りすぎも起こり得る。いつも以上に慎重にやらなきゃなんねえ。
「飛雄って指ほんと綺麗だよね」
「鍛えてるからな」
「私も鍛えようかな」
「しなくていいだろ」
ちっこい手が俺の手に触れる。させるがままにしていたら手のひら同士が合わさった。大きさ比べをしているらしい。するまでもなくなまえの手は驚くほど小せえ。
指を曲げて、彼女の指の間を自分の指が通ると手のひら同士が密着して、指先がなまえの手の甲に触れた。急に手を握ったことが意外だったのか、なまえがびくりと腕を引いたが握っていたせいで手は離れていかない。
「なに急に」
「別に、なんとなく」
「飛雄ってそういうとこあるよね」
そういうとこってどういうとこだ。なまえの言うことが難解なのはよくあることだが、男の部屋に上がって手に触れるのは良くねえことは俺でもわかる。もっと触りたくなるじゃねえかよクソが

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