シャワーヘッドから落ちていく湯が互いの身体を濡らしていく。泣き腫らして赤くなってしまったモカの目元にキスを落としながら、ジンは椅子に座ったモカの股ぐらに差し込んだ手を、ゆっくりと動かしていく。

「んっ、ん、ぁ……っ」
「汚ぇままじゃ気分が悪いからな、綺麗にしてやるよ」

 背中には彼の厚い胸。そこにもたれ掛かって、モカは割れ目とぺニスから溢れ落ちていく自身の蜜をぼんやりと眺める。白濁した汁はもう出てきていないのに、ジンは掻き回す指を止めない。動かされる度に甘い痺れが、モカの全身を駆け巡る。

「ぁ、あんっ、もぅ……、じん、でてないよぉ」
「あァ?見えてないだけで、まだ残ってるかもしれねぇだろ?」
「ひぁ、あ、んっ」

 身体をずらして逃げようにも、彼の片腕ががっちりとモカの腰をホールドしている。こうされ続けてかれこれ何十分たったのか。思考の蕩けたモカにはもう分からなかった。

「じん、まって……ぇ、いっちゃう、っ、からぁ……!」
「おっと」

 寸でのところで、ジンは指を抜く。もう少しだったのに、そんな想いを向けるように、モカは振り向いて彼の目を見つめる。蕩けたモカの濃紫色。この滲んだ瞳が、ジンは堪らなく好きなのだ。

「まって、って言ったのはテメーだぜ」
「う、ぅ……っ」
「ほら、ちゃんと身体も洗わねーとなァ」

 ジンがそう言って、ボディーソープを数滴手に取った。いつもはスポンジで洗うのに、今日は使わないのだろうか。そんな事を考えながら、モカは出っぱなしのシャワーを止めた。彼の手の平の上でモコモコと膨らんでいく泡は、まるでホイップクリームの様だ。

「すごい……」
「あァ?こんなモン慣れりゃ誰でも出来るだろ」
「ほんと?」
「おう」

 明日から練習してみよう。熱心に彼の手付きを観察しているモカの息はすっかり整っていた。ジンはそのまま両手でモカの身体に、泡を乗せていく。

「ひゃ……」
「ちゃんと隅々まで綺麗にしないと、汚いだろ?」
「んぅ……っ」

 彼は泡でモカの身体を洗っているだけ。それなのに胸の突起を掠めていく度に、モカの身体は小さく跳ねる。彼の手付きは一度消えたモカの性感に、確実に火をつけていく。

「は……っ、あぁ……んっ、ちくび、やだっ……」

 ジンが両手で、モカの小さな胸を揉みしだく。甘いその刺激でモカの胎の奥底は再び疼き始める。背中に当たる固くて熱い感触は、彼の熱だ。

「んっ、ぁ、ジン……」
「あァ?」
「ぼくも……、じんのからだ、洗う……」

 熱に浮かされたモカが、身体の向きを変えてジンと向かい合わせになった。自身の身体に付いている泡を手に取って、モカはジンの身体に塗っていく。小さな手は暖かく、それでいて動きがどこかきごちない。それでもジンは、黙ってモカの様子を見ていた。

「はぁっ、ジンの、おちんちん……、あついね……」

 モカの手が、熱に触れる。そのままゆっくりと両手で包み込んで、ちゅこちゅこと音を立てながら上下に動かしていく。泡のぬるぬると、モカの高い体温も相まってまるで胎の中の様だ。ジンの腰が震えるのを見て、モカが嬉しそうに微笑む。

「じん、きもちいいの……? えへへ……」
「は……っ、良いぜ、そのまま続けろ」

 モカの手の動きが激しくなる。こんな小さな少女にこんな事をされて、自分はこんなにも興奮している。今まで風俗等に行ってもひとつも反応しなかった自分の欲が、この少女にだけは素直に反応してしまう。先走りと泡でぬるつく手を、モカは汗をかきながらも必死で動かした。

「でる……っ、ぁ……」
「わ……!」

 熱い欲が、モカの顔にまで跳び跳ねる。どくどくと溢れていくそれを、モカはただ呆然と眺める。これがいつも自分の中に注がれているのだ。そう考えると、なんだかとても愛しいものに感じてしまう。

「クソ、こんなんじゃ足りねぇ」

 舌打ちをひとつして、ジンがシャワーヘッドを手に取る。互いの泡を流してから、ジンがモカの手を掴んだ。

「ここでやる、テメーのここも、もうどろどろなんじゃねーか、なァ? 人のちんこ扱いて興奮したか?」
「ひぁ……!」

 無理矢理立ち上がらせたモカの背中を、壁に押し付ける。そのまま片足を持ち上げて、未だ堅さを保ったままの熱を一気に押し込んだ。

「ぁ……っ! ひゃ、ぁあんっ!」
「あー、相変わらず……、たまんねぇなァ……」

 頭がふわふわとしてこのまま溶けてしまいそうな感覚に、モカは思わず涙を溢す。この暖かな腕を、自分は手離すところだったのだ。自身の首筋に牙を立てる彼の背中に、すがるように両腕を回す。そのまま彼から与えられる快楽に、モカは目を閉じ身を委ねた。



20190903