一方的な



「あっ、あ、やぁ……んっ!」

 こじ開けられた足の間に居るロコが、うっとりとした笑みを浮かべてモカの大事な部分を弄ぶ。その手つきはいつもモカに痣を残す愛しい彼とは少し違って、まるで壊れそうな花を触っている様だ。もう片手で端末をモカの股ぐらにかざして、ロコは呟く。

「かわいい……、はあ、モカさんの、小さなおちんちん、とってもかわいいね……」
「う、ぅ……」

 嫌な筈なのに、触られると身体は否応なしに純粋に反応してしまう。モカの身体をこんな風に敏感に開発したの、紛れもなく愛しい彼だ。

「毛もはえてないんだ……モカさん、とってもきれいだよ……、うれしいなぁ、夢みたいだ……」

 モカの小さなペニスを指で優しく刺激しながら、ロコは端末で色々な角度からモカの恥ずかしい姿を撮っていく。機械的な電子音が鳴る度に、モカは心が削られていく感覚がして無意識に涙が溢れた。

「モカさんのコレクション、これは特別なアルバムにしないと」
「ぅ……っ、とらないでよぉ……」
「どうして? こうやって形にしておかないと、モカさんは僕の元から離れて、あの人の所に行ってしまうじゃないか、これが僕の愛し方なんだよ」

 愛。これがロコなりの愛情ならば、正常な事なのだろうか。となれば。この行為をされている事に、自分は喜ぶべきなのだろうか。モカの思考はぐるぐると目まぐるしく回り始める。それでもロコの手は止まるわけもなく、甘い痺れがモカの全身を駆け巡る。

「おちんちんから、えっちなおしるがでできたね……、ねぇ、なめてもいい?」
「えっ、あ、まっ、あぁ、あ!」

 熱い咥内にペニスが含まれて、思わず腰が逃げそうになる。けれども太ももががっしりと捕まれていて、逃げられないままモカはただ一方的な快楽に、確実に溺れていく。

「あぁ……、とろとろのおまんこも、とってもおいしそう……」
「あっ!あ、らめっ、あ、ぁんっ!ひ、あぁ!」

 上も下も、熱い粘液が這い回る。敏感な場所を二つも同時に攻められるなんて事をされてしまえば、モカはもう何も考えることが出来ない。無意識にロコの青い髪に指を絡ませて、もっととねだる様に押し付けてしまう。

「えっちなおしる、すごく美味しいよ、モカさん……、気持ち良い? じゃあ……ゆびも、いれるね?」
「あ、ぁ……っ!」

 すんなりと入ってきた二本の指が、ゆっくりと中を広げる様に動かされる。この後何をされるかなんて分かりきっていたけれど、モカはそんな事よりも、ただこの快感に溺れていたかった。

「はぁあ……、とってもあったかい……」
「ぅ、っあ、んっ、んんぅ……!」

 達する。その拍子に指がずるりと抜かれていった。なんで、なんてそんな事を聞くまでもない。ロコがベルトのバックルを緩める金属音が聞こえる。ズボンのジッパーを下ろして、下着の合わせから熱を取り出した。

「モカさん、僕のおちんちん、その……、自分で言うのもなんだけど、人より大きいんだって」
「はえ……?」

 ぐったりと身体をラグマットに預けているモカからは、捲れたスカートでロコの熱がどんな大きさかなんて見えない。けれども宛がわれた暖かなソレは、愛する彼のモノとは明らかに違っていた。

「だから絶対、モカさんも、気持ちいいよ」
「ひ、っ……!!」

 圧倒的な質量が、モカの胎に入ってくる。ごりごりと肉襞をこじ開けるようにして奥底まで侵入したその刺激で、モカは全身を震わせて達してしまった。

「あれ? モカさん、もしかして、いれただけで、いっちゃったの?」
「ぁ、あ……おっき……ぃ」

 モカには分かった。彼のモノでは届かない所に、否、届いてはいけない所に、ロコの熱は届いている。その証拠に、モカの平たい腹がほんの少しだけ膨らんでいた。

「あは、あはは、うれしいなぁ、モカさんが、僕のおちんちんで、気持ちよくなってる、あはは、夢みたいだぁ……」
「まっ……!ろこ、いまぁ、うごいたら、ぁ、ああっ!」

 奥をゴツゴツと抉られる度に、脳みそが蕩けるほどの快楽がモカを襲う。もう何も考えられない。ごりゅごりゅと音をたてて肉襞を掻き出される様な感覚に、全身がぞくぞくと粟立って仕方が無かった。

「モカさん、あいしてるよ、だいすき、ねぇ、きもちいい?」
「んぁ、あ、きもひっ……! きもひぃいからぁっ!」

 いつの間にか緩んでいた包帯の隙間から首筋を舐められながらの、甘ったるい愛の囁きが、モカの心を確実に溶かしていく。部屋にはロコの激しい息遣いと、モカの蕩けた声。そして耳を塞ぎたくなるような、厭らしい水音が響いていた。

「はぁっ、はぁ、モカさん、はぁ……っ、モカさん、モカさんっ……!」
「ひぁ、あぁんっ! らめっ……、もういったぁ! 僕いってりゅっ……からっ、あ! あっ、ひぁ、ああぁ!」
「モカさん、あっ、僕も、もう、いっちゃいそう……っ!出すよ、モカさんの、モカさんの子宮に、僕の、ザーメン!」
「ぁ、ああぁぁ……!」

 お腹が熱い。どくどくと欲が流し込まれていく感覚に、モカは思わず身震いした。耳鳴りのような、とても酷い頭痛がする。全身が気だるくて、モカはそのままゆっくりと目を閉じた。

「あはは……、モカさんの、なかに……、僕の、せいし、出しちゃった……」

 眠っているモカの濡れた唇にキスをしながら、ロコは確かな幸せを噛み締めていた。



20190901
そういえば本編をなろうのムーンライトに乗せてみました