〜ちょっとした会話文とお返事〜


2019/08/24 06:18 返事
▽20190823の方

追記にて
追記



2019/08/21 15:12 話
▽後追い

 彼の胸には鉄の塊が一発。それは確実に彼の心臓を撃ち抜いていて、どうしたって助かる見込みは無かった。病室のベッドに横たわる彼の目が開くことはもう無いのに、杏愛はその場から動く事が出来ない。きっと彼は今すぐにでも起き上がって、あの不敵な笑みを浮かべて、自分の頭を撫でてくれる。そんな泡沫の望み。

「おい、モカ……」
「うん、もう少ししたら、ジン起きるから、大丈夫だよ」
「……」

 いつもの表情でそう呟く杏愛に、蓮はもう何も言えなかった。蓮がそのまま黙って病室を出れば、後は杏愛と仁の二人っきりだ。手を伸ばして頬に触れても、彼の体はとても冷たい。それでも杏愛は、涙が出なかった。

「なんでだろう、やっぱり、ジンがしぬなんて、おかしいよ、これ、夢かな?」

 そうだ、こんな悲劇が起きる筈がない。今までずっと頑張ってきて、やっと愛を手に入れたのに。こんなあっさり無くなってしまうなんて、杏愛は信じられなかった。

「これ、夢だ、そうだ、……起きなきゃ」

 これは夢に違いない。そうなればはやく起きて、仁の笑顔を見るんだ。鞄から取り出した断ち切り鋏を、杏愛は躊躇なく自身の首に突き立てる。夢な筈なのにとても痛くて、それでも、杏愛は手を止めることはなかった。

「い、たい……、でも、起きるんだ……」

 ボタボタと落ちていく血が自分のセーラー服と、彼の服、そして真っ白なベッドを汚していく。目の前が霞んで、立っていられなくて、杏愛はそのまま彼の上に倒れ込む。いつの間にか手から抜けた鋏が、音を立てて床に落ちた。

「じん……、いたい……よ……」

 鼓動は聞こえない。そんなのは分かっている。これが夢じゃない事も、杏愛はちゃんと分かっている。じわじわと広がっていく血と、激痛が、夢じゃないことをありありと証明していた。それでも信じたくなくて、彼の手を握れば何故だかほんのり暖かく感じた。

「おきたら……、じん……、だっこ、してね……」

 もう彼の顔は見えないけれど、それでも杏愛は嬉しかった。起きたら彼が優しく抱き締めてくれる。そんな幸せな希望を抱いて、杏愛はゆっくりと目を閉じた。



2019/08/20 23:33 話
▽虫刺され

「じん、かゆいよお」

 真っ白な肌に目立つ幾つもの赤い点々がすべて自分のつけたキスマークなら良いのだが、生憎そうではない。この時期になるとモカの虫刺されはひどいモノだ。一説によればどろどろのインクだと虫に噛まれやすいと言われているが、モカの食生活を考えてみると確かに思い当たる節はある。

「ほら、見せてみろ、ムヒ塗ってやるから」
「ムヒ……!いやぁ、染みるもぉん」
「あァ?」

 殴ると喜ぶマゾの癖に、こういう痛みは嫌らしい。逃げようとするモカの腕を掴み無理矢理押さえ付け、真っ赤な手足にまんべんなく塗りたくってやれば、モカは泣きながら悲鳴を漏らした。

「うぅ……いたいぃ」
「痛いの好きじゃねーのかよ」
「だって、これはジンのじゃないもぉん……」
「そうかよ」
「ひんっ!」

 塗った腕を平手で叩いてやれば、モカはびくりと身体を跳ねさせる。その顔は少しだけ嬉しそうで、ジンはふうとため息をついた。



2019/08/20 23:32 話
▽童顔

「この前よ、世話になってる姐さんに可愛い顔してるって言われたんだが……?」
「えっ、ジン、浮気……!?」

 飲んでいたタピオカミルクティーを口から溢したモカの口許を拭きながら、こちらに訴えかける様なまなさじを向けるジンの顔は目付きも悪く、お世辞にも可愛い等と言えるレベルではない。

「俺って童顔なのか?」
「少なくとも、俺はそうは思わないけどな……」
「ねぇ、ジン浮気じゃない?」
「浮気じゃねーよ」

 童顔というよりはむしろ怖いの部類に入ると思うのだが、まあ歳もジンより随分と高い姐さんからしてみれば、という話なのだろう。しかし可愛いと言われてあのジンが悩むとは、部下達とのいい話のネタにはなりそうだ。

「俺って童顔か?」
「ジンはね、格好いいよ」
「当たり前だろ」
「えへへ」

 なにやらイチャイチャし出しそうな雰囲気を醸し出す二人をぼんやりと眺めながら、手元の冷めきったコーヒーを飲み干した。



2019/08/20 23:31 話
▽寝言

「じんそれは僕の、おまんこじゃないよぉ……」

 突然聞こえてきたその声に、ジンは思わず端末を操作する手が止まってしまった。何故ならモカは隣ですやすやと寝息をたてているからだ。本当に寝ているのか顔を覗き込んでみても、目を閉じており確実に夢の中にいる様子である。

「寝言か……」

 しかし僕のおまんこじゃないとはどういう事なのであろうか。自分はモカの夢の中で誰か別の女のおまんこを触っているのだろうか。折角調べものをしていたのに、寝言のインパクトが強すぎてジンは何を調べていたのか忘れてしまっていた。

「ちがう!それは、がろんさんの、おまんこっ……」
「……」

 ジンはその寝言を聞き、彼のグロテスクな下半身を想像してしまう。あのヤリチンの彼に女性器が付いているなんて考えてしまうと、なんだか気分が悪くなってきた。

「……寝るか」

 今日はもう寝てしまおう。またモカが寝言を言う前に。ジンは端末を置き、いつもなら抱き込む筈のモカに背を向けて布団に潜り込んだ。



2019/08/20 23:20 話
▽タイトルなし

「ちょっとまって!今乳首に絆創膏貼ってるから!」
「こんな会話なかなか無いよなァ」
「少なくとも普通のカップルは乳首に絆創膏貼るレベルまで開発しないぞ」



2019/08/20 23:09 トップ
▽てすと

「最近杏愛と寝ると暑いんだよなァ、ほら、くっついてくるだろ?」
「えっ?それはノロケ?愚痴?」



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