がちゅん。
濡れた音が薄暗い空間から響く。音の発生源は拘束され俯せに倒されたトランスフォーマーの下腹部からで、その上にのしかかり新緑の機体のトランスフォーマーが荒く排気していた。
まだ若い面影を残すその男は低いその声で組み伏せた年上の男の耳元に熱い排気をかけ、彼の下腹部、そこへ突き立てたコネクタでバウンティハンター…もといロックダウンのレセプタを突き上げた。
「ゥう、ぐっ、ッ…」
一回、二回と押し上げられる度にせり出した胸の装甲がごりごりと削れ、呻き声も比例して大きくなる。が、その口元が決壊することはない。

「もっと素直になってもいいんだぜバウンティハンター?」

食いしばられ、内部オイルを伝わらせる唇をなぞるクロスヘアーズの指先は繊細である。さらにその先に伸ばされた両腕を拘束している手錠に触れ、握り締められた拳を労わるように撫でるが、触れるために前かがみになったことで彼のコネクタはより一層ロックダウンの最奥を苛んだ。プライドこそ守るものの、圧迫感にびくりと跳ねるロックダウンの機体はその衝撃を物語る。

「辛いか、」
「っふう"、ァ、…ぃ、ぁアっ!!」
「うんうん、つらそーだな」

そう茶化せば、辛うじて見える視線が殺意を孕んだ。それをしっかり受け止めてにまりとクロスヘアーズが笑う。
目の前にあるその尻を掴んで、容赦なくロックダウンの反応も罵倒もその機体すらも押さえ込み興奮のままに穿った。レセプタの縁でぶちゅりと泡立ったオイルとクロスヘアーズの腰が激しくぶつかった 途端、その殺意は快楽に呑み込まれる。

「ハッ、ぁ…っく、そッ」
誰よりも仕事に生きその名を悪名として轟かせる賞金稼ぎをこの行為でプライドに傷をつけるのはとても気分がいい、とクロスヘアーズは感じている。

だが陵辱というには足りない。あまりにも足りない。オートボットとしての自覚だの矜持だのはともかくとして、ここまでしても尚、ロックダウンの陥落には至っていない。


「俺はアンタが女みたく喘いでんのが見てェんだよなぁ」


その台詞にすかさずロックダウンが振りかえる。

普段のむっすりと口を開けず冷徹な顔はどこへやら、大の男である自分自身にそんなことを言われるとは思っていなかったという顔だ。それときっと、ここまでされたからにはそれを冗談だと受け取れないというのもあるだろう。

「冗談だと思いたいなら頑張って口噛み締めてろやおっさん。――それでも俺は、やるがな?」
「な、にを、ふざけたこと、ぅ、ァは、ッ」

身を捩らせたロックダウンが不本意にも自分で締め付けることとなったコネクタが形を主張したことで呻いた。それでもそらさぬ視線に射抜かれながら、クロスヘアーズもまた締め付けられたコネクタからの刺激にぐうと唸る。
オートボット特有の青いオプティックに情欲が混ざるのを、ロックダウンは見届けることしかできない。自分よりずっと年下の若い男の笑い方が、獲物を組み敷いた雄の顔になるのも、全て。


「…俺は貴様なぞに堕ちない。ぜったいに。」


これから始まる本格的な行為を乗り越える自信こそ揺らがないものの、その行為の中どれだけ屈辱に塗れる事となるかと思うと腸が煮えくり返るようだ。
よもや自分に向けられるとは思わなかったこちらに向けられる艶めかしいその表情を横目で見、ロックダウンは言った。
「やれるもんならやってみろ、駄犬」
クロスヘアーズが待ってましたとばかりに口角を上げる。ロックダウンが簡単に落ちてくれないことをわかっているからこそ全力でとりにかかる。

「そこまで煽てられちゃあヤらねェ訳にはいかねえなァ!」

口調こそ粗暴であれ、ロックダウンを再度突き上げたクロスヘアーズは大層満足そうに笑っていた。


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