「別れよう」

一つ目を瞬かせてしばし考えるような素振りを見せたショックウェーブはサウンドウェーブを見た。

「…と言うと?」
「そのままだが。」
「ふむ」

さて、どうしたものか。
なんて悠長な台詞を言い出す恋人(元だろうか)に、サウンドウェーブは排気をしたのち首を振った。
「なんだ」
見下ろして問う。

「嘘だ」


と、実にさっぱりとした口振りで――…いや、若干の不満も混乱したブレインではあったがなんとなく感じた。
…大方人間のイベントに感化されていたのだろう。で、手っ取り早く、かつ弁解もしやすい自分に矛先が向いたらしいとショックウェーブは察した。不満から察する辺り、期待していた反応ではなかったようだが。
あまり怒りは感じない。
むしろ、安堵したといったほうがいい。

「安堵?」

思考を読んでサウンドウェーブが首を傾げる。

「ああ」
「何故?」
「いや、」


「先程の話が嘘でなかったら私はきっと貴様をメガトロンにもオートボットにも見つからぬよう誰も知らぬ場所へ隠して死ぬまで共にいただろう。」


数秒経った後、「すまなかった」と消え入りそうに呟かれるサウンドウェーブの言葉に、再度安堵した。
嘘つきの頭を撫でながら、ぎこちなくではあるが回された手に苦笑する。

「――…こちらは嘘じゃなかったりしてな。」


抱き締められていた恋人が、ぴしりと硬直した。




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洒落にならない音波の嘘と洒落にならない衝撃の本…音?実はからかってるかもしれない。
このあと半泣きになった音波によるボディブローが決まる。

(配布元/虹女王)



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