「………うーん、」

全然気持ちよくねえ、と綺麗にした自分の後孔に中指を突っ込んでさぐりながらスバルは心の底から深いため息をついた。抜くときはなんとなく、排泄欲に似た気持ちよさがあるが、それ以外はさっぱりだ。むしろ異物感がすごかった。ぐにぐにと自分の内臓を触っている感触を少々気持ち悪く思いながらまったく気分が盛り上がらない開発をそこで止める。

「あんなの入んのかなぁ・・・」

まぁ、スバルが気持ちいいとか気持ちよくないとかはひとまず置いておくべきだろう。とりあえずエミリアがスバルの尻にあの巨根を突っ込めば騎士の誓いは本当の意味で達成される、らしい。あのあと巫女と騎士の関係を詳しく白状したロズワールに、シチュエーションが全然うれしくないんだけど、これどこのエロゲ?と思わず真顔で尋ねてしまったのは記憶に新しい。

とりあえず、と指を引き抜いて、スバルにあてがわれた部屋にある、大きめのチェストの一番下の引き出しをジト目で睨む。そこに置いてあるのはエミリアの男性器よりも少し小さい張り型だ。なんでそんなものがあるかというと普通にロズワールにもらった。これで練習するといぃーよぉ、と何の恥ずかしげもなく差し出してきたのには思わず目を剥いた。

「いや、裂けるなこれは」

取り出してみて、その先端を少し広がった後孔に当ててみる。全く入る気配がしない上に普通に痛かった。尻からめりめり裂ける音がするんじゃないかと思った。そもそも子供の腕ぐらいあるんじゃねーかこれ、と戦々恐々とした目で張り型を見つめて、ちょっと洗って元の場所に戻す。あれはしばらく封印決定なのは間違いなかった。



「と、いうわけで」
「なるほどねーぇ。入らないと」
「そもそもがハードル高すぎるんだよ。なんで段階踏まずにいきなりでかいのをブチ込まなきゃいけないんだって話じゃねぇ?間違いなく俺の尻が横にも割れる」

スバルの切実な訴えにふむ、とロズワールが唇に人差し指を当てた。なんで男二人で肛門に入れる性具の話をしているんだ、とげっそりした顔になりつつも何かないの?と辺境伯におねだりをする。

「張り型自体は普通にあるんだよねーぇ」
「最初からそれよこしてくんない?」
「いや、何、エミリア様の騎士になろうというスバルくんの気概を見せてもらおうと・・・」
「別のところで頑張りたいです」
「はいはい、わかったよーぉ。スバルくんはわがままだぁーね・・・・・フレデリカ」



「はい、ロズワール様」
「例のあれを持ってきてくれるかぁーな」
「えっ、ちょっ……」
「畏まりました」

まさか、巫女と騎士のそういうあれこれは周知の事実なのだろうか。綺麗なお辞儀をして去っていったフレデリカの後ろ姿を赤くなったり青くなったりしながら見送る。わなわなと震えながらロズワールの顔を見ると、ウインクを寄越されて殺意が増していく。

「そう心配しなくても大丈夫だぁーよ、誓いのことは私しか知らないからねーぇ……まぁ、エミリア様が話してしまう可能性については、私は知らないけれど」




「えっ……エミリアたん、じゃなくて、……エミリア、その、」
「うん、スバル」


「あ、あれっ?どうしよう、スバル」
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