女性らしく柔らかく、それでいて武道を習っている者特有の硬さも兼ね備えた手がおずおずと勃起したユリウスの性器に触れる。それが眼下で行われている事実に、仄かな感動と興奮を覚えてしまうのは仕方がないことだった。体を重ねること自体はもう両手の指で数え切れないほどだというのに、スバルがこうして愛撫をしてくれるのは今回が初めてなのだ。
「言っとくけど、……俺こういうのやったことないし、下手くそだから」
「構わないよ」
「………最後までできないかもしれないし」
「君が私にそうしてくれるだけで、嬉しいものだ」
「……………ぅ、……歯ぁ立てる、かもだし」
「流血しないことを祈っておこう」
竿部分に触れたまま、俯いてぼそぼそと呟かれた言葉に少々玉が縮む思いをしたが、ユリウスにはこの機会を逃す気は全く無い。もちろんはっきりと嫌だと言われれば諦めるつもりではあるが・・・そんなにしたいの、と呆れたように言うその表情からは、先程よりも忌避の感情が見られなかった。
「………疲れたら、途中でもやめるからな」
少し戸惑うように口を真一文字に引き締めて、それから覚悟を決めたようにぎゅっと目をつぶって、蝸牛が這うような速度でスバルがユリウスの股に顔を近づけていく。よほど男性器を間近で見たくないらしい。
「っ、」
淡い桃色をした唇がユリウスの亀頭に触れてむにゅりと形を変える。それだけでなく、興奮からいつもより多く溢れ出た先走りがスバルの口元を汚しているのをユリウスは見てしまった。赤く染まった舌がちらりと唇から覗いてそれを舐めとっていく。不味そうに眉を寄せつつもごくりと微かに喉がなった音を聞いて、それだけで
背骨を甘く痺れさせるその快感に、ぐ、と息を呑んでこみ上げてきた射精感をやりすごす。やったことがないと言う割には弱点を的確に攻めてくるのはどうしたことか。
「・・・・・くちがつかれた」
もごもごと言われたその言葉に思わず眉が下がる。
「………くっ、ふ、ふはっ!お前もそんなかおすんだ」
「・・・・む、なにか、おかしなことでも・・・?」
「いやだってお前そんなわかりやすい・・・」
「………、なんか、新鮮かも」