「ふはっ!くすぐってぇ!!あははっ!」

毛づくろいでもしているつもりなのか、スバルの頬や脇腹などを舐められて笑いながら身を捩る。お返しに犬が喜ぶ場所をかりかりと掻いてやると気持ちよさそうに狼はその綺麗な瞳を細めた。そんなかんじで一頻りスキンシップを楽しんだあと、どうやら敵意は結局なさそうだと判断してスバルは狼の腹の下からゆっくりと地面を足で蹴って抜け出した。

「……あー、そうだ破かれてるんだった」

うつぶせになり、服を探そうとして、すぐにその残骸を見つける。ズボンはまだ原型を保っているがベルトが取れてしまったから押さえながら歩くしかない。それも半裸でだ。

ちょっとショックを受けながらもズボンを引っ掴み、立ち上がろうとした所で背中にふわふわでぷにぷになものが触れた。振り返ってみてみるとそこにはスバルが立ち上がるのを阻止した形になった狼の前足がそっと乗せられていて。

「え、あのぅ……」

動こうとするとぐいぐい押される力が強くなる。どうやら行ってほしくないらしい。そんな懐かれるようなこともしていないのに、人懐っこい狼だなぁと思いながらスバルはその意思に従ってやった。

「……ったく、でも、夜になる前には流石に帰るからな」

のしっと今度は体全体でスバルに押し掛かるもふもふになんとなく告げると、了承のように頬を舐められる。相変わらず尻尾をぶんぶん振ったままのその様子に、遊びたいのかなと思って立ち上がろうとしたが。

「これどけてくれる?」

スバルの両足の付け根と交差するように狼の前足が置かれている。これでは動けないではないかと抗議してもなんだか知らないが全く退ける気配はない。

「・・・・んひゃっ!?」

どうも不思議なことをする奴だ。そう思いつつ腰を微かに下におろしたその時だ。ぬるりとしたものが尻の間を一往復していって、スバルは思わず悲鳴を上げた。熱くて硬くて長さのある何か。一瞬舐められたのかと思ったが、どう考えてもそれができる体制ではない。では一体何が、と後ろへ首を傾けて、その正体を知る。赤く充血した肉の先端が自らの尻の割れ目から微かに覗いているのが見えた。

「……………………え?うそ、うそだ、やだっ・・・!違う!違うって!!俺は雌じゃなっ・・・」

執拗に入り口を探して尻たぶの間を往復するそれ。自分の股の間にもついているものだ、と察した瞬間に血の気が引いていくのが分かった。はっ、はっ、と荒くなった狼の息使いはもしや最初からそういう意味だったのだろうか。スバルにはそれを受け入れるための穴はないというのに、ぐりぐりと捏ねるように陰茎を押し付けられる。

「あっ!……やだ、まって、駄目っ!ちが、やめ……や、ぁあ」

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