「――おいで」


光溢れる昼下がり。
少年の声に反応した少女は声の方へと駆け出す。

差し出された手を握り、少女は幸せそうに口を綻ばせた。


「いいかい、よくお聞き?」

「なぁに?」


ふわりと甘い香りが二人だけの世界を包む。
長い髪は香りを乗せた風に運ばれて、フワフワと揺れた。


「この旋律をちゃんと覚えとくんだよ」


少年の手の平で踊る、小さなオルゴール。
少女は不思議そうに見つめながらも、満面の笑みを見せた。


「うん!わかった!」

 



 
TOP
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -