※※第345話:Make Love(&Sex aid).49








 リビングを飛び交う、猥りがわしい美音、ふたつの躰はひとつになりぶつかりあう。


 「あああああっっ!」
 善がって、ナナは何度もオーガズムを得た。
 その中で、彼の限界を躰で覚った彼女は、待ちに待った中出しで子宮まで目一杯充たされたがっていた。

 ところが、

 「口閉じんなよ?」

 薔は射精の寸前に、抜いてしまったのだ。
 何事かと驚いたナナは口を閉じる間もなく、口内へと、射精をされる。

 「はあ…っ、あ…っあ、」
 中に出して欲しかったのに、抜かれてしまい、恍惚の表情でナナは淫水を味わった。
 掴んで先っぽにくちづけてから、しゃぶることまでしてしまった。

 どうしてですか……?と聞きたくても、生憎口は塞がっている。


 「中に出してやるとは一言も言ってねぇからな……」
 あたまをよしよしして、薔は笑った。
 意地悪なのにすごく淫靡で、ナナはどこまでも悦んでいる。
 膣はひくひくとうねり、物欲しげにキュウウウッと収縮した。
 くちびるの端を伝い落ちた白濁に舌を伸ばしたくても、舐め取れない場所まで彼に染まっていた。


 「次はどうする?」
 薔はおでこにキスをして、罠を仕掛けた。
 言った通りにはしてくれないのか、望み通りにしてくれるのかわからなくなる罠を。
 「んんんんん…っ、」
 もう彼の好きなようにされてしまいたくて、ナナは泣きながら首を横に振っていた。

 「それじゃわかんねぇだろ?どうして欲しい?」
 言わせておいて中に出さなかったくせに、言わせようとするから昂った。
 また硬くなったモノでラビアを愛撫され、ナナは素直に懇願していいのかがほんとうにわからない。



 「んんう…っ、……なか…っ、」
 無我夢中で彼にしがみついたナナは、最終的にどうして欲しいのかを言うしかなかった。

 「薔で…っ、いっぱ…っ、なっれ…っ、っん、赤ちゃっ…っ、ほしっ……れす…っ、」

 いくらでも中に出して、体質を覆して欲しかった。
 孕ませて欲しいからこそ、躰は淫乱になり中出しが大好きになる。




 「よく出来ました、って……言ってやりてぇとこだが、」
 苦笑をすると、薔はすぐに奥深くへ挿入した。

 「やり過ぎだよ、ばか……」

 背中に食い込んだゆびが、悪戯めいた動きで肌を引き寄せる。



 「んあああああんっっ!」
 挿れられてすぐに絶頂を得たナナは、過激なピストンで子宮口を突き上げられた。
 玩具を咥えていたのが嘘のように、彼の形になって捕らえられている。

 「まあ、俺が原因か、悪かったな?」
 この日の夜、薔は何度でも中に出してくれた。
 ナナが善がり狂って意識をなくすほど、激しく抱いてくれたのだった。

 「おまえが可愛すぎるから意地悪したくなるんだよな……」
 つまるところ責められているのは、ナナだった。
 だからこそ彼女は極上の悦楽を覚えた。

 「あっあんっあ…っ、あっあっあっあああっっ、」
 ナナのヴァギナはひたすら彼を求めて収縮した。







 「ああああああぁぁんっっ!」
 数えきれない絶頂を彼女が得ると、やがて、

 「……っ!」

 薔は中へと射精をした。
 待望の迸りは子宮目掛けて、勢いよく注ぎ込まれた。


 「あっふ…っ、んん…っ、」
 大好きです……と言葉にできないから、ナナは彼の肌に健気なキスをする。
 「……ん?どうした?」
 抱きしめて、薔は優しく髪を撫でた。





 妖美な全てが確信へと導く、彼はきっと――、

 「わたしを孕ませてくれる……」


 危うさも、何もかも、絶対的な強さを以て。













  …――To overtake destiny.

[ 502/536 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る