※※第343話:Make Love(&Impatience).208








 挿れてもらえない膣は、ひくひくと物欲しげにうねっている。

 「ん…っん、ん…っ、ああ…っ!」
 ナナはお仕置きをされているのに彼を襲っているような不思議な感覚で、行為に没頭していた。
 行為に没頭しているだけで何度か達してしまった。

 自分の奥深くは焦れったいけれど最高にエッチだし、最高に色っぽくて病みつきにはなる。
 乳首を舐め回し、弄くり回しつつ、彼を片手で扱いていた。

 「……っ、ん――――……」
 薔は声を抑えているみたいだった。
 どこか苦しそうに息をしているのがまた聴覚を刺激して、妖艶な誘惑となる。

 ナナは口を動かすのに夢中で、言葉責めといった高度な技術を駆使することはまったくできない。


 「おまえ何か意地悪な事、言ったりしねぇのか……?」
 「んえ…っ!?」
 なので薔から誘ってみた、せっかく優位な立場に立たせてやっているのだから意地悪の技量くらい見たい。
 ナナははたと思い出す、自分は夕月の役をやらされているのだと。
 このまま彼の精液を彼の肌に掛けさせてもおかしくない役を、やらせてもらえているのだと。

 期待の眼差しで見上げられていると思ったナナは、精一杯の言葉責めをしてみた。

 「え…っ、……エロ薔薇王子ちゃんさまめが……」

 もはや蔑んでいるのか敬っているのかわからない。




 「……あ?」
 予想外の言葉責めが来て、薔は一気に形勢逆転したくなった。
 ナナが言うから成り立つが夕月が言ったらギャグにもならない。

 「もうやです…っ!」
 意地悪を求められたことではなく、ナナはもう一秒も我慢ができなくなった。

 「挿れたいです…っ、わたしが夕月さんならっ……薔はわたしの言うこと聞いてください…っ!」

 挿入して欲しくて、我慢ができなくなっていた。
 夕月役であることをここぞとばかりに、翳してみた。



 「今のはしっくり来た……」
 「はい…っ!?」
 要約をするとつまり“言うことを聞け”なので、エロ薔薇王子ちゃんさまより遥かに言葉責めっぽくて薔は面白がっている。
 驚きながらもナナはいそいそと、パンツを脱いだ。

 ヒロインが俺様ぶったおかげで、無事に挿入を獲得できた。







 ズッッ――――――…

 「あ…っあ、挿っ…ちゃ…っ、」
 腰を落としたナナはもう、彼が挿ってくれることが嬉しすぎて狂ったようにイけてしまいそうだった。
 「挿れてんだから当たり前だろ?」
 ギュウッと締めつけられて、突き上げたいのを堪えて薔は彼女の腰を撫でる。

 彼の乳首は硬いままで、とてもいやらしくなっていた。
 見下ろすナナは恍惚の表情で、根元まで咥え込んだ。

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