※※第319話:Make Love(&Love philter).194







 「え…っ!?あ…っっ!」
 躰を反らしたナナは絶頂を得る。
 騙されていただなんて……彼はなんという意地悪を仕掛けてくれたのだろう。

 淫れきって、まだまだ淫れてゆくのに、媚薬の効果は最初から存在していなかったなんて。


 「つまり証明されたのは、おまえがもともと身に付けてた淫乱さだ、」
 激しく腰を振り、首筋にくちびるを滑らせていった薔はキスの痕を残した。

 「別格だよな?何よりも手強くて厄介だよ……」

 それは彼だけのために開花させる、彼女特有の魅力だった。
 ヴァンパイアの能力も太刀打ちできない、本来の自分が備え持つ自然な才能。
 暴き出したのは薔で、支配しているのも薔だった。

 この躰は余すところなく彼のものだ。




 「そっ…な…っ、あ…っ、あああぁぁっっ!」
 羞恥に駆られたナナは絶頂を得る。
 媚薬が効いていなかったと知っても、淫靡な欲望は沸き上がる一方だった。
 たくさん突いてめちゃくちゃにして欲しい、善がってイキまくって、好きなように中出しされてしまいたい。

 彼の言う通り、証明された淫乱さは別格だった、自分の手には負えない。



 揉みしだかれる乳房では乳首を舐められ、ちょっと吸われただけでも感じすぎてどうしようもなかった。
 胸が甘く痺れ、お腹のずっと奥のほうがすごく切なくなる。


 パンパンパンパンッ――…!

 ふたりがぶつかりあうと体液が飛び散り、ソファがギシギシと軋んだ。

 「あっ…あああっっ!」
 戦慄いたナナは絶頂を得る。
 ふるえている彼女の顎を、胸から放した手で薔はぐいと掴んだ。


 「舌伸ばせ……」
 動きを緩めることもなく、彼は容赦なく引き寄せる。
 まだイっていても、ナナは抗えない。
 彼が全てだから。

 「あっん…っあっ、はあ…っ、」
 必死になって、舌を伸ばした。
 伸ばしている最中にも奥深くへ捩じ込まれ、彼女は悦びの悲鳴を響かす。



 「…――――――愛してるよ、ナナ……」
 くちびるにくちびるを近づけた薔はふっと囁き、舌を絡めて奪った。

 「ん…っはっ…っん、ん…っ、」
 乱れた息を漏らす僅かな瞬間すらも、見事に合わさる。
 収縮を続けるナナの膣で、彼の鼓動は加速するばかりだった。



 「んんんんんううっっんっ!」
 縋りつくようにしがみついたナナは、絶頂を得る。
 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も射精をした。
 欲しがりな子宮目掛けて、迸りを注ぎ込む。

 彼を締めつけるナナは恍惚の表情で、いっぱいに嵌めたまま白濁を溢れさした。
 薔は彼女のあたまを撫でて、深く舌を絡める。


 ズッッ…!ズプッ…!

 「っん…っ!?」
 激しいキスのなかで激しく奥を突き上げられ、ナナは細やかにつまさきをしならせた。
 最初から存在していなかった媚薬効果なら――切れることだってない。
 貪る快楽に溺れる彼女は、自らの躰だけで、当初の目的を果たせていた。















  …――Pure erotic victory.

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