※※第318話:Make Love(&Desert).193







 速度は上がった、ナナは彼の背中に脚を絡める。


 パンパンパンパンッッ――…!

 「んっあっんっあっあっああっ…っ、あっあんっあっ…あっ、あん…っ、」
 ゆさゆさと躰が揺れて、首筋にもキスマークをつけられた。
 目にも見える、彼だけのものであるという証。

 抱かれる愉悦も支配される愉悦も、全てが狂おしく愛おしい。


 「…――――咬んで欲しそうにしてたよな?ここ……」
 激しく突いていた薔は不意討ちで、ヌチュヌチュとクリトリスをゆびでさすった。
 「あう…っっ!?んっ…あんんっっ、」
 核心も突かれたナナは躰で、その通りですと応えているようなもので。

 「大丈夫かどうか、思い切り歯ぁ立てて試してみるか?」
 摘まんだクリトリスはちょっと強く引っ張られ、言葉にも感じて膨れ上がる。
 それでもいい、ナナはとにかく彼になじられたい。
 なじられることは可愛がられることと同じだった。

 「乳首でも面白そうだな……」
 最奥へと突き挿れて、薔は硬くコリコリになった乳首を甘噛みした。
 「あぁんっ、あっあっ…んっ、ンっ…あ、ああっあっん…っ、」
 噛まれる悦びにすっかり目覚めてしまったナナは、きつく彼を締めつける。
 見透かされている、咬まれるならどこでも構わないということを。

 裸体になって隅々まで歯形をつけられてもいい、キスマークのように歯形もすぐには消えないのか、色んなところで試されたっていい。
 薔になら、全てを委ねられる、もう自分は奪い去られしまっているのだから、今更だ。




 「あああああ――――――――――…っっ!」
 甘美な悲鳴のような、イキ声を上げてナナは絶頂を得た。
 絡めた脚が離れないよう、縋りつく。

 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も射精をした。

 淫らな子宮目掛けて精液が注ぎ込まれる。
 ナナは恍惚の表情で、彼を搾り取る。

 収まりきらないほど出されて、溢れだした白濁は肌を伝い落ちていった。
 全部中に残されたいのに、彼は猛々しくて敵わない。




 「あ…っ、薔ぅ…っ、もっ…とっ、んっあっっや…っ、抜かなっ…えっ、んっあ…っっ、」
 ナナは甘ったるい声で、官能に任せてせがむ。
 体位を変えないで、もっともっと、ぐちゃぐちゃに中出しされてしまいたい。

 「おまえな……罰だってこと忘れてひたすら気持ちよくなってんじゃねぇよ……」
 耳を甘噛みした薔は溜め息に似た息を上げて、懇願を聞き入れることなく抜いた。
 「ああ…っあっ、ごめっ…なさ…っ、やらあ…っ!」
 泣いたナナは必死で、彼にしがみつく。
 垂れてくる淫水を留めようとする膣の収縮により、ますます垂れてくる。



 「何慌ててんだよ、可愛いから許してやるに決まってんだろ?」
 一度抜いてやるせなくさせると、薔は再度奥深くへ挿入した。
 「ああんっっ!?んっ…あっっ、」
 驚いたナナはそれより何より気持ちがよすぎて、結合部で攪拌される体液は泡立った。


 「ん……っん、」
 ふたりは烈しいキスも交わしながら、冷めることを忘れた欲望を交えていった。















  …――That is the ability to drive you crazy.

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