※※第316話:Make Love(&Barnyard).192







 ナナは彼が整えてくれたのであろうパジャマのボタンを少しだけ外し、胸の大きさを恐る恐る確認してみる。

 「おっぱい……またおっきくなったのかなぁ…っ?」
 口にしている内容もちょっと恥ずかしい。

 余地を残したままそら長い間成長が止まっていたのを、毎日あれだけ揉まれていたら……大きくもなるって。



 はち切れそうになっている乳房を見たナナは秘部がズキンと切なくなり、躊躇いながらも彼に声を掛けた。

 「薔…っ、起きてくださいっ……」
 さっきは起こさないよう細心の注意を払っていたのに、今度は甘えた声で起こそうとしている。
 彼に起きてもらわないとおかしくなりそうな問題が、降りかかってしまっていた。

 「ん――――――…」
 甘ったるい声を漏らした薔はさらに強く彼女の枕を抱きしめただけで、目を覚ましはしなかった。
 彼女がエッチな気分になっているのを察した上でわざと寝た振りをしているのではなく、ほんとうに目を覚ましてはいなかった。

 よほど昨夜は激しくしちゃったのか、珍しいことがあったもんだ。



 むぅっとしたナナは、これはいつもの意地悪なのではないかと気づいた。
 いつもの意地悪のときには気づけないくせに、いつもの意地悪でないときには気づくことができた。

 「朝から意地悪は…っ、やめてくださいよ…っ……」
 小さな声で訴えると、毛布を捲ってみた。
 がばりと引き剥がすとかいう勇気はないため、胸元まで捲る程度が限界だった。

 すると改めてよくわかってしまったことは、薔は上半身裸のまま寝ていた。
 そもそも肩が見えて腕が全部見えている時点で彼の場合は上半身裸だろう。




 (あああああっ!色っぽい――――――――――っ!)

 いーっ、ぃーっ…(※そりゃ変態にもなりますって!なエコー)

 ナナは心で悶えたおかげで、より一層秘部をキュンキュンさせることに成功した。
 上半身裸だったのなら尚更、枕でなく自分を抱きしめていてほしかった。

 おかげさまで見下ろしながら拝めているけれど。



 (ぜ…っ、全部裸ということはっ……ないですよね…っ!?)
 ドキドキのナナは心持ちが変態寄りなので、上半身裸かと思いきやじつは全裸に期待しまくった。
 鼓動を速め、毛布を丁寧に捲ってゆく。

 ちょっとした優越感ととてつもない罪悪感が、同時に迫り来た。


 やがて、すっかり上半身を露にさせてしまってから、

 (履いてらっしゃったよおおお…っ!)

 全裸でなかった衝撃に悶絶したナナはとりあえず、上半身をこれでもかというほど凝視させていただいた。
 枕が乳首を隠しているのがまた、なんとも色っぽくて堪らなかった(さすが心持ちは変態)。

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