※※第315話:Make Love(&Ravish).191







 「あ…っあっ、ごめっ…なさ…っ、あああっっ、」
 涙でびしょびしょになった目を、ナナは死に物狂いで開いた。
 子宮口がキュンキュンして、収縮は止め処ない。

 なんとかうっすらと目を開けた彼女のうえで、薔はただ優しく微笑みかけるとくちびるを奪いにきた。



 「っん…っ、んっ…ふうっっ、」
 艶かしく舌が絡められ、ナナは恍惚に痺れる。
 乱れた吐息が口内で交ざりあい、合わさった。

 「んんんうっっ!」
 息が止まりそうな甘い目眩を覚え、ナナは絶頂を得る。
 「……っ、ん…っ、」
 きつく締めつけられた薔は中で鼓動を速め、動きも過激にした。
 淫音が高く部屋を昇り詰める。

 パンパンパンパンッ――…!

 ふたりが幾度となくぶつかりあう結合部からは体液が飛び散り、ソファを濡らしまくっていた。

 ぎゅっ……とゆびを絡めて、離せずにいる手の熱を伝えあう。


 「んっっんんんんんんっ…っ!」
 深く舌を絡めあわせて、ナナは絶頂を得た。
 こまやかにふるえる躰を汗が妖艶に伝い落ちる。

 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も射精をした。

 勢いよく注ぎ込まれる淫水を、何よりも欲しがっていたナナはヴァギナを狭める。
 子宮目掛けて放たれた、たっぷりの熱に充たされてゆく。



 「は……」
 繋がったままくちびるを放すと、乱れた吐息が零れて混ざった。

 「泣きすぎだろ、可愛いな……」
 ふっと笑って、薔は濡れた頬にゆびを這わせる。
 しかも彼は涙を拭いながら、彼女の顔を横向きにさせた。

 ドキッとしたナナの目の前、いったん彼が抜かれる様は容赦なく映し出される。
 白濁が溢れだし、白い肌を白く伝い流れる。




 「…――――――おまえの言う通り、おまえをエロくさせてんのは俺だ……」
 耳にキスをして、再び挿入した薔は中で攪拌させるように腰を振っていった。

 「それがおまえの本性だからな……」



 果たして、針は真綿にずっと包まれていたのだろうか。




 「あっあっあっあっあッあっっあん…っ、ああっっ、あっ…あっあっ…あああぁんっ…っ!」
 ひっきりなしに嬌声を上げるナナは彼のくちびるの動きを耳もとに感じながら、画面に映るピストンを見せつけられる。
 彼女の本性はどこまでも淫乱で、そんな本性と出会わせてくれた彼の手からは決して逃れられなかった。


 真綿に包まれてなくてもいい、彼に抱きしめられるなら毒を持った針でも構わない。
















  …――Please don't let me go.

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