※※第311話:Make Love(&React).189







 「あああぁぁっっ!」
 また絶頂を得たナナは汗に湿ったトップスのほうだけ、脱がされていった。
 完全に脱げる前、腕に留まった自分の服は汗で張り付き、拘束具の役割を果たす。
 こういうことをされると俄然、彼はご主人様になる。

 「あ…っあっあっ、ごしゅじ…っさま…っ、も…っ、許しっ…えっ、あ…っんんっあ…っ、」
 ナナは涙声で喘ぎ、最奥を突かれた。
 両手の自由を奪われ、昂って仕方ないから中はしきりに収縮している。

 「許すも何も、始めたのはおまえだろ?」
 何度でも奥を突き上げ、緩めてもくれない薔は笑って肩にキスを落とした。

 「よく憶い出してみろよ……誘ったのはおまえだ、」

 時に強く吸われた肌には独占欲の証が残る。




 「あああああ…――――――――…っっ!」
 絶頂を得たナナが、よく憶い出してみることは不可能に近かった。
 でも、本能ではわかっている、確かに彼女は彼を誘った。

 誘われた彼は巧いこと、仕組んできたというわけだ。


 潮吹きは無限に起きてしまうのか、とにかく止まらなかった。
 奥を突かれるとびりびりして、漏らしてもいないのに体液が漏れる。

 「あっうっああっ…あっはっ、ひっっ…あっ、あっんっっぁあああああっ…っ、」
 ひっきりなしに嬌声を上げるナナの腰に、ゆびが食い込む。
 「許すとか……許さねぇとか、そういう他愛ねえのを今さら設けて何になる?」
 腰づかいをより激しくさせて、薔は淫音を聞かせた。

 「こんなに気持ちよくなってたら……止まんねぇだろ、」

 彼は息を乱し、素早く捩じ込んだ。



 「あっあああっっ!」
 ビクンビクンと戦慄き絶頂を得たナナは、ご主人様のおっしゃる通りですと躰では感じ取れていた。
 でも喘ぎすぎている口から言葉は出てこない。
 ぎゅうぎゅうに彼を締めつけるのが精一杯だった。

 両手を縛りつけているびしょ濡れの服にまだ、汗の雫が滴る。
 いっぱい吹いてしまった潮はソファから、垂れて床に流れていた。

 膣で彼の熱を狂いそうなくらいに感じていたナナはぎゅっと両手を握りしめ、またしても絶頂を得た。
 「あああああぁぁんっっ!」
 盛大な潮吹きもして、跳ねた体液に腹部が濡れる。


 「……っ!」
 ほぼ同時に、彼女の手を包み込むように片手を重ねて、薔も射精をした。
 「あっ…ふっあ…っんっ、あん…っ、」
 子宮目掛けて注ぎ込まれる迸りにナナは恍惚の表情で、充たされる悦びに満ちる。
 するともっともっと欲しくなる、彼に支配されることにはいつでも病みつきになる。


 「……ん……」
 息を呑んだ薔はゆっくりと、嫋やかな腕を撫で上げていった。
 「あ…っあっ、ん…っ、」
 ぞくぞくしたナナの中から、白濁が溢れだす。


 「つうか、主従関係は明確にしねぇと駄目だな……」
 そして突然、愛撫を止めた彼は抜いてしまった。
 “主従関係”という言葉がやけに扇情的で、息を上げたナナは両手を拘束されてはいるのだけど。
 こんな生ぬるいものでは、明確ではなかったようだ。







 一日で終わらせてもらえるのか、はたまた。















  …――I'm your prisoner.

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