※※第290話:Make Love(&Sex aid).35








 「…――――――そろそろ、玩具は抜こうか…」
 ふっとくちびるを放して、薔は妖しく吹き掛けた。

 「ほら、思い切り脚開いて?」
 彼の言い方は優しくていやらしく、抗えないナナは精一杯頷いて従う。
 ヌルンと、なめらかにバイブは抜かれていった。

 「はああっ…んっっ、」
 なるたけ脚を開き玩具を抜かれたナナはつまさきを痙攣させて、中をうねらす。
 「玩具でこんなにひくひくさせんなよ……」
 ゆびで入り口をくぱりと拡げて見た薔は、ベルトに手を掛けた。

 「ダメだな、妬けてきた…」
 そして片手で髪をかき上げ自嘲気味に笑うと、露にしていった。
 仕草がセクシーで息を呑んだナナは、両手の自由を奪っていたネクタイを解かれベッドに押し倒される。

 「あ…っ、」
 腰を掴んで引き寄せられた彼女は、大好きなモノを膣口に当てがわれた。
 妬く必要もないのに、妬いてくれるのが嬉しくて愛おしい。

 「俺のを咥えたら……もっと蕩けて淫れろよ?」
 囁きかけて、彼は一気に挿入した。

 ズプッッ――――――…!










 「ああっっ!」
 堪え続けたナナは挿れられる途中で、達していた。
 彼でいっぱいになってゆく感覚が、狂おしく迫りきた。
 「まあ、挿れた途端にイかせられんのは俺だけか……嬉しいな、」
 くすくすと笑った薔は一息つく間も与えずに、動き始める。

 「つうかおまえ、いくら淫乱になっても俺以外に許すなよ?」
 抱き寄せた彼は言い聞かせた耳へキスをして、耳朶を甘噛みした。
 「ん…っ、あ…っんっ、あっあっんっ…あっっ!」
 ナナは必死で頷きながら、絶頂を得る。
 どこまでも淫乱にさせるのは彼なのだから、この特権はいつまでも彼だけが持っている。

 玩具なら、入れたとたんにイくことは決してできない、何よりも彼が欲しいのだから。



 ズチッ…ズチッ、ズチュッ――…!

 「はっあああっんっあ…っ、ああっあっあっ…っああっ、」
 ベッドがおかしいくらいに軋み、ナナはここでは心置きなく喘いだ。
 最奥を突かれすぎてまた、絶頂を掴みそうになっている。

 「ほんとは誰にも見せたくなかった……」
 腰づかいを激しくさせて、吐息に混ぜて言葉を落とした薔は傍らに放ってあったネクタイを手に取った。

 「ああんっっ!」
 宙で脚を戦慄かせて絶頂を得たナナは、イっている間に片手をネクタイで縛られる。

 「俺だけのものだしな……深く閉じ籠めたところで足んねぇよ……」
 縛りつけた手首を引っ張り、奥に突き当てた薔はどこか苦しそうに髪を揺らめかせた。

 「結局、縛られてんのは俺のほうかもしんねえ……」











 「あっ…あああああっっ!」
 引っ張られた手首を彼に向かって伸ばし、ナナは絶頂を得た。
 「……っ!」
 薔もほぼ同時に射精をして、また彼女の子宮目掛けて勢いよく注ぎ込む。
 この熱を欲しがって止まずにいた、何度でも与えてほしい彼だけの狂熱。


 息を荒らげた薔は縛って掴み寄せていた手に何度もキスをして、扇情的に視線を絡めた。

 「まだ……聴かせて欲しい、おまえの鳴き声……」
 溢れさせるみたいに突き上げた彼は、激しく求める。
 「あっあ…っあっ、あああっあっんっ…あっ…あっあっ、」
 ナナは高く、喘ぎ声を響かせる。

 互いの渇望が、合わさっていた、見つめあいながら同じ世界をふたりは見ていた。
















  …――And we are looking at the same future.

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