※※第284話:Make Love(&Still).173








 ズプッッ――――――…!

 「ああっっ!」
 ほんとうに深くずっぽりと嵌められてしまい、ナナは達した。
 「挿れた途端にイくなって……きつい、」
 息を乱した薔はすぐに、動き始める。
 きついと言った彼の動きはしなやかに激しかった、最初から。

 「や…っ、ムリ…っ!あっああっあっ、イっちゃっ…っ、あっ、イくぅ…っっ、」
 彼の腕を掴んだナナは最奥へと突き上げられ、ほぼ立て続けに限界を悟る。
 「何だよ、またイくのか?堪え性がねぇな…」
 腰を掴み寄せた薔はわざと捩じ込み、彼女の全身をびりびりと痺れさせた。
 彼のモノに淫乱に絡みつく体液が、淫靡な音を聞かせる。


 「あっ…あああああっっ!」
 戦慄き絶頂を得たナナは思わず腕から手を放してしまい、突きながら薔はその手を肩へ持っていかせた。
 「どうせなら中みてぇにぎゅってしてろよ、こっちも……」
 くちびるとくちびるが今にも触れあいそうな距離で囁き、彼は腰づかいを速める。
 背中を愛撫した手がブラジャーのホックを外し、ゆさゆさと揺れだした乳房は揉みしだかれる。

 「んっ…っあっ、あっあっ…あっっ、あああっあっん…っ、」
 言われた通りにぎゅっとしがみついたナナは、本能のままに脚も絡めて淫された。
 「は……」
 艶っぽく息を零した薔はくちづけができそうなのに、まだしてくれない。
 ふたりはいやらしく吐息を交ぜあわせる、吐息のキスならできていても舌を縺れさせたい。
 ぶつかりあう性器のように。


 パンパンッ…パンッ――…!

 「あっはあっあっあああっっ!」
 またしても絶頂を得たナナは中で一気にぎゅうっとしがみついた。
 「……っ、く…っ、」
 収縮に躰をふるわせた薔は彼女を抱きしめ、くちびるを奪う。
 舌と舌を絡めあっていると、どこもかしこも絡まっている気がした。
 そして、どこもかしこも奪われている気がした。


 「ん…っ、は…っ、んんっふ…っ、ん…っっ、」
 合わさるくちびるは濡れて、妖艶に煌めいた。
 髪を滑ったゆびがそっと背中に食い込む。

 ズチュッッ…!

 彼の鼓動は熱く加速して、突き挿れられるたびに体液が飛び散っていた。




 「んんっ…あああ――――――――…っ!」
 ナナは夢中でオーガズムを掴み、吸って離されたくちびるが弾む。
 熟れた膣は赤くなり彼を必死に狭める。

 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も射精をして、子宮目掛けてたっぷりと注ぎ込んだ。
 大好きな淫水に充たされ、継続してイくナナは喘ぎながら唾液を垂らす。



 「気持ちがよすぎて、抜け出せねぇな…」
 優しく顎を舐め上げた薔は汗で額に張りついた彼女の髪を撫でて剥がし、大胆不敵に見下ろすと微笑んだ。

 「ナナ……愛してる……」










 少し乱れた髪が揺れて、とても扇情的だった。
 くちびるから零れ落ちる吐息も、抑えようとしているのに乱れているのがわかる。

 「って、言葉じゃ足んねぇほど……愛してるよ……」
 悪戯っぽく笑いかけた薔はやわらかくくちづける。
 動きはずっと深く激しい。


 いつまでも一緒にいられるなら――死んでもよかった。
 定めに逆らい共に、消えてなくなりたいと泣きたいくらい切望するときがある。





 「んっっあ…っんっ、ああっあ…あっ、」
 攻め立てられ、彼に縋りついたナナは体内まで同意をした。
 思いは白濁のように溢れる、欲しがる気持ちも溢れだす。


 未来のことをきちんと考えてみたり、どこか不安定になったり、そんなふうにするからやっぱり、ナナは彼から目が離せない。















  …――It's same with him.

[ 251/539 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る