※※第273話:Make Love(&Aphrodisiac).167







 ディープキスが再開されれば、ピストンは過激になる。
 ふたりはこんなにも、繋がっている。

 「んっンんっん…っぁっ、んうう…っ!」
 ナナは立て続けにイって、重なるくちびるでいつの間にか互いの呼吸は見事に合わさっている。


 パンパンパンパンッ…ッ…

 ぶつかりあうたびに体液が飛び散り、締めつけが増す。
 ゆびをぎゅっと絡め返し、懸命に舌を伸ばす。

 「んんんっ――――――――――…っ!」
 つまさきを宙で跳ねさせ、ナナは絶頂を得る。
 すると彼はもっと強く、最奥を突き上げる。



 彼女は意識が飛びかけていた、夏休みは始まったばかりなのに、こんなにも激しくされて。
 激しいけれどなめらかな腰づかいに、容赦なく責められている。

 「んんんあああっっ!」
 またしてもナナが絶頂を得ると、途中で薔はくちびるを放した。
 嬌声が響き渡り、気持ちよさに痺れた舌がふるえる。


 グチッ――――…!

 イったばかりの交接器を、いっぱい感じるように薔は突いて、

 「や…っ!?あっああああああんっっ!」

 快感の驚きも束の間だったナナはすぐにまたオーガズムを掴んだ。
 痙攣が止まらない、これはきっと媚薬のせいなんかじゃない。



 「派手にイってんな?さっきからずっと潮も吹いてる……」
 耳や首筋にキスをして、薔は吐息みたいに告げた。
 一瞬だけ強く吸われた白い肌に、独占欲が証となって浮かび上がる。
 彼が奥を突き上げるたびに、彼女はこまめに潮吹きをしていた。


 「あっあっあああっあっ…っはああっ、あんっ…あっあんっ、」
 躰はゆさゆさと揺れ、ナナはとにかく喘ぐ。
 「……っ、ん…っ、」
 収縮は増して、堪えてきた薔もふと躰をふるわせた。

 ふたりは離れることを知らないくらいに、ゆびを絡めて腰を振る。






 「ああああああぁぁっっ!」
 戦慄き、ナナは絶頂を得た。
 意識はほとんど飛んでいた、ただ彼を嵌めて善がっている。

 「……っ!」
 ほぼ同時に射精をした薔は、一番濃いキスの痕を彼女の首もとに残した。
 くちびるを離した彼はイっているその躰を抱きしめて、子宮目掛けて勢いよく精液を放つ。

 「んっあ…っあっ、あんっ…あっ、あっ…あっあっっ、」
 ナナは体内の奥のずっと深くに彼を感じながら、早くも白濁を溢れさしていた。
 ヴァギナは狭まるから、おさまりきらない、これをまたふたりで攪拌させてゆく。


 「次は後ろから……」
 髪を撫でた薔はいったん抜いて、上手く体勢を変えられない彼女を強引に四つん這いにさせる。
 「ん…っあっ、あん…っ、」
 後ろから見られてひくつかせているナナは、口許に一粒のチョコレートを運ばれる。

 「あーんして?」
 優しい声で導く薔はすでに、少しだけ挿れて意地悪をしている。
 「ああっあ…っっ、」
 ナナは嬌声を響かせることで結果的にあーんをして、与えられたチョコレートは口内でゆっくりと溶けていった。
 味わう余裕なんてまったくなかったけれど、すくさま最奥に突き当てられていたから。
















  …――I'm charmed by you.

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