※※第271話:Make Love(&Implement).165








 今日のセックスの目的は、描かれること。
 ナナは様々な嬌態を彼の手によって描き出される。


 「ああ――――――――…っ!」
 イキ声を響き渡らせた彼女は、またしても絶頂を得て、

 「何度見ても可愛いアクメ顔だな……」

 薔は動きをなめらかに激しくさせる。
 結合部から幾度となく飛び散る体液が、淫靡な艶めきを広げる。

 「あっあっあっ…あっあっ、あんっあっ…あああっっ、」
 ナナは止め処なく喘ぐ、どれほど高く喘いでいても頬や耳や首筋へとキスをされてゆくリップ音は濃密に聴覚を撫でる。
 零れ落ちるセクシーな息づかいも、おかしくなるほどの恍惚を背筋に伝わせる。



 「あああああっっ!」
 ナナは戦慄き、絶頂を得た。
 「このまましがみついてろよ?」
 薔は繋がったままドサリと、彼女を強引に押し倒す。


 パンパンパンパンッッ…!

 腰は一度強く掴み寄せられ、ピストンは過激になった。
 最奥に容赦なく迫り来る快楽に、甘すぎる目眩を覚える。

 「あ…っあっあんっあっ、ああっあんっ…あっんっ…あっっ、」
 ナナは彼の腕を掴み、ひっきりなしに嬌声を上げた。
 頬を濡らしていた涙にキスを落とされ、その隙にも深く捩じ込まれる。

 「あっ…あああっっんっ!」
 大きくふるえて絶頂を得たナナは、突かれながら潮吹きをした。
 「おまえ濡れすぎだぞ?キラキラしててきれいだけどな、」
 不敵な笑みを落とした薔のシャツは先ほどよりも肩を滑り落ち、美しい躰は色っぽく汗ばんでいる。
 魅了されたナナは無意識のうちにか、シャツを引っ張った。
 もっともっと、彼にも乱れてほしかった。


 「あああああああぁぁっっ!」
 裂けるほどに彼のシャツを掴み、ナナはまたしてもオーガズムを得た。
 「……っ!」
 シャツを引っ張られた薔は彼女を思い切り抱きしめて、射精をする。

 ドクッ…!ドクンッ――…!

 子宮目掛けて、迸りが脈打った。
 「は…っあっあっ、ああっあ…あっあっ…あ…あっ、」
 継続してイキつづけているナナは搾り取るように、夢中になって締めつける。


 「最高に気持ちいい、おまえの躰…」
 優しく髪を撫でる薔は、動きをまた激しくさせる。
 繋がった性器で淫水を、攪拌させてゆく。

 「止まんねえ……」












 止めないでください……と心で描いたナナは、彼にまたぎゅうっとしがみついた、外でも中でも。
 ぐっしょりになったソファが軋みつづける、壊れそうなほど、それでもまだまだ止めることなどできやしない。

 好きなだけ中に出してほしいと切望しているナナのくちびるを、薔は奪いにきて。
 ふたりは重なりながら、キスで呼吸も合わせていった。

 床に落ちた絵筆は、とろとろになって艶めいていた。















  …――I'm drawn by you.

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