※※第233話:Make Love(&Bewitchment).138







 グチッ、グチュッ…パチュッ…

 「あっはあ…っあっ、あ…っあんっ、ああ…っ、」
 片脚を持ち上げられていると余計に淫靡に、自分の中へ彼が何度でも挿ってくる様が鏡には映し出された。
 ナナはスライドバーが曲がってしまうのではないかと思うくらいの力を込めて掴まり、左手のゆびはますますきつく絡みあう。

 チュッ…ジュプッ――…

 薔は持ち上げた脚を腕へ掛けて手を伸ばし、乳房も揉み上げて、後ろから覗き込むようにして乳首へ舌を這わせた。

 「ああ…っあっ、あ…っ、んっあっ、」
 持ち上げられたつまさきまで痙攣したみたいにふるわせて、ナナは戦慄き絶頂を得る。

 「あああんっっ!」






 「……っ!」
 ほぼ同時に薔も射精をして、彼女の子宮目掛けてたっぷりと注ぎ入れた。
 「あっあ…っあっ、はあ…っっああっ、」
 ドクドクと、体内が彼の鼓動で満たされる。
 満たされるほどに、足りなくなる、ナナは無二の強欲を薔から与えられる。


 ヌルッ…グチュッ――…

 「んっ…ふ、んううっ…ん、」
 出された体液が、中で攪拌されていきながらふたりはくちびるを重ねた。
 とろとろと溢れだして内股を伝う淫らな水が、もっとたくさん奥に欲しくなる。


 けれど、遊ばせるように動いた薔は、抜いていってしまい、

 「洗いっこしたら、ベッドでもするか?セックス…」

 乱れた息づかいを抑えるみたいに微笑んで、ボディソープを手に取り囁きで誘惑した。








 「んっ…ン、あ…っ、」
 耳を撫でた吐息に感じて、ナナは甘く嬌声を響かせて、

 「まだ全然、足んねぇよな?」

 強引に向きを変えられ、泡立ちいい匂いがするボディソープは肌へと塗りたくられていった。

 「俺も、おまえも……」








 「ん…っ、」
 彼の肩へ両手で掴まり、素直に小さく頷いたナナはくちびるを奪われる。

 ビクッ…ビクンッ――…

 融け合う体液が溢れだし、彼女は一所懸命に舌を伸ばしながら、自然と腰を動かしてしまっていた。
 時に舌を吸ってちょっとだけくちびるを放した薔は、扇情的な視線と笑みを向けてすぐにまたくちびるを奪う。


 ピチャリと滴り落ちるのは、水滴なのか体液なのか、わからなくなる。


 「んんん…っんっっ、」
 泡を塗る手が、彼だけに淫乱な躰を愛撫してゆく。
 白い泡の下で、起ち上がり充血した乳首は濃いピンク色を見せていた。










 …――――愛と謎には、共通した部分がある。

 紐解くほどに深まり、霧に包まれながら確かになり、

 罪深くなってゆくことだ。















  …――Love is a mystery,

 but mystery isn't love.

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