※※第232話:Make Love(&Sex aid).23








 やがて、口内に出されることはなく抜かれてゆき、挿入となった。
 彼も彼女と同じく、全てを脱ぎ捨てる。


 「ああ、そういや、おまえにはまだ言ってなかったよな?」
 「え…っ?あ…っあっ、」
 当てがった瞬間に、薔は今思い出したみたいにどこか意地悪く笑うと、

 「どうかしそうなほどに、実は妬いてる……滅茶苦茶に激しくしてやりてぇから挿れたら遠慮はしねぇぞ?おかしくなりそうなのは初めから、俺のほうだったよ…」

 捩じ込むように一気に、挿入してきた。

 「おまえは俺だけ感じてろ、今のおまえの罪深さは俺を狂わせることだけだ……」











 ズプッッ――――――…!

 「ああっっ!」
 アナルではローターが振動をつづけ、キモチイイ場所を擦りながら嵌められたナナはイけてしまった。

 「おまえのアクメ顔……やっぱ可愛すぎるな、何度でも、俺に見せろよ……」
 一息つかせる間も与えず、彼女がイっているあいだにも薔は動き始める。

 グチッ、ズチッ…ズチュッ…

 「あ…っあっあんっあっ、ああっ…あっ…あっあっんっ、」
 たっぷりと濡れて、尚も濡れてゆく最奥へ向かって激しく突き上げられ、乳房を揺らすナナの意識は甘くぶっ飛びそうだった。
 ベッドは止まずに軋み、湿ったシーツの皺の一つ一つまでも鮮やかに淫靡を彩る。

 「あああああっっ!」
 躰を反らして絶頂を得たナナは、善がるばかりとなり完全に意識を彼に預けた。





 「ナナ……」
 彼女の意識が飛んでいるとわかっているからこそ、腰づかいは激しかったが薔の囁きはやさしかった。
 「あっあっあっ…あっあっ、あんっあっ…はっああっ、」
 ナナは絶えず喘ぎ、快楽に濡れていた。
 口の端を伝う唾液を舐め上げられて、無意識のなかでも甘えるみたいに彼へとしがみついてくる。

 「大丈夫だ、何があっても離さねぇよ……」
 抱き返してあたまをよしよしすると、薔は動きを速めた。

 「あああああぁぁっ…っあっ!」
 絶頂を得たナナは、ぎゅうっとさらに強くしがみついて脚を絡めてくる。

 「……っ!」
 ほぼ同時に射精をした薔は、彼女の子宮目掛けて迸りを注ぎ込んだ。
 「ああっ…あっんんっ、」
 ナナはたくさん出された淫水を、うっとりと感じ取る。
 ふたりの激しい鼓動が奥深くで合わさる。

 「んっ…あっあっ、しょ…っ、薔…っ、薔ぅ…っ、……もっ…おっ、あっあ…あっ、あ…っ、」
 ナナはまるで譫言のように、彼をからだじゅうで欲しがっていた。
 快楽に溺れ意識が飛んでいる状態でも、甘ったるく名前を呼ぶ、いつだって彼だけが全てだった。

 「わかってるよ……おまえが欲しがるだけ、くれてやる……おまえにとっての罪深さに、俺がなってやる……」
 一気に突き上げて、交ざる体液を中で攪拌させて、薔は彼女の背中を愛撫した。
 ゆびさきが、狂気を肌に沁み込ませて心臓を鷲掴みにする。



 「言ったよな?俺以外の奴に渡すぐれえなら、」
 耳もとにキスをして、薔が甘い棘のように吹き掛けた言葉は、二度目のものだったがナナには朧気にしか届いていなかった。
 躰には刻み込まれていったが。

 「ズタズタに引き裂いてやるって……」













 …――――護りたい想いと、引き裂きたい衝動、

 どちらも真実で、嘘も偽りもなかった。















  …――When I don't touch you, I'm crazy.

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