※※第265話:Make Love(&Ardor).161
ズチュッ、ズチッ…パチュッ…!
「あっあんっあ…っあっ、あ…っ、あっはっ…ああっんっ、あああんっっ!」
激しく奥に当てられて、ナナはすぐにまた絶頂を得た。
自分は彼に、意地悪などしていない、それを意地悪と言われてしまうことはとても意地悪で、どこまでも欲情する。
「自分で動いて、イってみろよ、ナナ……」
まだ痙攣したみたいにふるえている彼女の乳房を揉みしだき、ピストンを止めた薔は耳にキスをして、囁いた。
「あ…っんっ、ああっんっ、あ…っあっあっ、」
ナナは自分で腰を前後に動かし、彼を何度も奥へ当てさせる。
「……ん、上手……その調子…」
乱れた吐息を耳に滑らせて、薔は乳首をゆびでこね回す。
「俺も最高に気持ちいい……」
「あ…っ!?らめっ…っ、そ…こっ、やああんっ…っ、」
どこもかしこも気持ちがよくて、ナナはヴァギナを収縮させる。
「どこがダメ?ここ?」
彼はわざとらしく、乳頭をなめらかにゆびでこねる。
「それともここ?」
その上妖しく、耳を甘噛みする。
「んっ…らめっ、あっ…あっあ、イっちゃ…っ、イく…っ、あっっああっ、」
シーツを裂けるくらいに掴み、躰を反らしたナナはまたしても絶頂を得た。
「あんんっっ!」
反らした上体はガクリとベッドに倒れ、筋を引いて垂れた唾液が猥りがわしい染みを作る。
「結局どこがダメなのかわかんなかったじゃねぇか…」
ほんとうはわかっているとしか思えない言い方で、彼女の腰を両手で掴み引き寄せた薔は再び激しく動きだした。
最初は広すぎると思っていたベッドが、狭く感じられた、天蓋もあんなに近くにあったのか、思い出せない。
パンパンパンッッパンッ――…
「あっ…あああああっっ!」
ナナはまたオーガズムを掴み、乳房が大きく揺さぶられた。
自分で当てた後に、彼に当ててもらえると、奥はより一層その激しさに燃え上がる。
「潮……吹いてんな?何度も……いっぱい……」
薔は言葉で思い知らせ、気づくとシーツは故意に水でもぶちまけたほどに、ぐしょぐしょに濡れていた。
ナナは自分が突かれながら潮吹きをしてしまっている様にも、羞恥を高められる。
シーツを掴むしなやかな手に頼もしい手を重ねられ、引き剥がされたゆびにゆびが絡められた。
ナナも必死になってゆびを絡め、彼をしきりに締めつける。
「あっ…ああっ――――――…っっ!」
戦慄き、彼女は絶頂を得て、
「……っ!」
ほぼ同時に薔も射精をして、欲しがりな躰をずっと奥まで充たした。
子宮が脈動し、彼に支配されている。
「っあっ…あっんっ、は…っあっ、あ…っ、」
白い肌にはいつの間にか、いくつものキスの証が残されていた。
ナナは意識が朦朧として、ただただ、最愛のひとだけを髄まで感じている。
そしていきなり、おそろしいほどはっきりとした声で、薔は確かめてきた。
「なあ、おまえはいつまで……俺のものでいてくれる?」
ナナにはもう何もわからない、何も応えることができない。
自分はいつまでも彼だけのものなのに……彼の言葉の意味がわからない。
「どこまで、俺と一緒にきてくれる?」
やがて薔は重ねていた彼女の手を取り、手首にキスをした。
まだふたりは繋がったままで、何もかもを強く奪っておきながら、どうして彼は残酷な儚さでこの胸を締め付けるのか。
「…――――――永遠に?」
ぼんやりとした視界は、優しい微笑みだけを映していた。
一瞬、彼の口許に鋭い牙を見た気がしたのは、幻だったのか。
薔はナナの手首に、何の躊躇いもなく、咬みついた。
…――Sometimes you are unstable.
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