※※第265話:Make Love(&Ardor).161
















 後片付けや後夜祭なども含めて学園祭は無事に(?)終え、月曜日は振替休日となっていた。
 この日は朝からナナは“あること”を彼氏にお願いしてみたくてウズウズしていた、テストはもう今学期中にはないのでお勉強をさせられるということもまずないだろうと考えてもいる。






 「あのっ、薔っ!」
 「ん?どうした?」
 朝食の後片付けなども済ませてしまうと、ナナは思い切って申し出てみた。

 「わたし、ジムとやらに行ってみたいです!」

 と。
 いきなり如月に影響でもされたのかな?




 「……おまえが言ってんのはつまり、公園や運動場にある金属管を組み合わせて造った遊戯施設のことか?」
 突拍子もないことを言われた薔は最初、彼女が言っているのはジャングルジムのことだと思ったようだ。

 「難しいのでよくわかりませんけど、えっと……身体を鍛えるところですよ!」
 ナナはぎこちないなりに一所懸命に、ダンベルを両手で持ち上げるジェスチャーを彼に見せ、

 「本気でそっちを言ってたのか……」

 ちょっと驚きはしたものの落ち着きはらって、薔は返した。

 「躰なら俺と毎日鍛えてんだろうが。」












 「ぎゃわあああ!それもっ、そうですけどっ…!」
 ばっちり卑猥な意味合いに捉えたナナは、真っ赤っかになる。
 ほんとうにダンベルを持っていたら確実に落としていた、危ない。
 「つうか何でいきなり、ジムなんだよ、」
 反応を面白がりつつも表情には出さず、堂々と薔は確かめた。

 いつものラブラブに安心して、わんこたちは寄り添ってリビングにてうとうとしている。


 「昨日ドラマでやってて、面白そうだったじゃないですか!薔は観てなかったんですか!?」
 未だ真っ赤のナナは、昨夜彼と観たドラマの影響だということを明かした。
 特に如月は関係ありませんでした。

 「俺はドラマを観ながら面白れぇ声を上げてるおまえしか見てなかった。」
 「うわああああ!恥ずかしいです!」
 薔はナナしか見ていなかったことをさらりと告げて、彼の思惑通り彼女は恥ずかしがった。
 こうなってくるともっと、からかってやりたくなるのだが。



 「あああのっ、あのですね!とにかく、すんごく面白そうだったんです!」
 赤面して、恥ずかしい気持ちが高まるなか、ナナはデート感覚で彼とジムに行ってみたい一心で力説した。

 「歩いたり走ったりしても、ぜんぜん前に進まないんですよ!?」










 ……トレッドミルのことか!

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