※※第232話:Make Love(&Sex aid).23















 いよいよ、やってまいりました、

 《F・B・DZ》!

 ナナが見始めた夢の謎とは?
 悪夢の正体とは?

 より一層の謎は深まりつつも、いつもの学校風景から始めていっちゃいましょうか。




 …………Are you ready?















 Z初っぱなからナナは真剣な表情で、辞書を引いていた。

 きょう‐はん【共犯】
 二人以上の者が共同して犯罪を遂行すること。共同正犯・教唆犯・従犯の3種に分かれる。広義では、たとえば集団犯罪も含まれる。



 ナナが調べたかったのは“共犯者”という言葉だったのだが、生憎愛用の辞書には“共犯”しか掲載されてはおらず、

 (ううう〜む……)

 ヒロインは悩み、困惑していた。

 (意味を調べたら余計に、意味がわからなくなっちゃった……)

 と。




 共犯者というものはどういったものかはわかっていたのだけど、辞書を引かずにはいられずに引いたところなかなか難しい意味合いが出てきてよくわからなくなってしまったのだ。
 これに“者”をつけた場合はどうなるのかとはてなマークを浮かべたナナさんは、今度は者について調べてみようと試みた。
 ますます意味がわからなくなりそうな予感は満載だが。


 「ナナちゃぁんはほんとぉぉにぃ、辞書が好きなんだねぇぇ?」
 ずっと辞書とにらめっこをしている親友をからかうつもりで、ニコニコのこけしちゃんは声を掛けた。
 「あっ、いや……あの、こけしちゃん……わたしが好きなのは、辞書ではなくて……」
 案の定真っ赤になったナナは、口ごもっている。
 大好きなのは辞書自体ではなくて、言葉に於いて辞書をけっこう登場させる彼氏ですので。

 慌てる親友の様子を楽しみながら、こけしちゃんのにっこにこは止まらない。


 「そっ、それよりこけしちゃんはなんか、いつもニコニコだけど今日もニコニコだね!?」
 ナナはなんとかこの恥ずかしさを静めようと、話題を変える手段に出た。
 ちなみにすでに予鈴は、鳴っております。

 「エヘヘぇぇ、わかるぅぅ?」
 しかしながらこけしちゃんは、嬉しそうにナナの手段に乗ってくれて、

 「じつはねぇぇ、今度の日曜日ぃ、ゾーラ先生ぇとデートなんだぁぁ……」

 と、耳打ちをしてきた。




 「それは良かったねっ…!おめでとう、こけしちゃん…!」
 「エヘヘぇぇ、ありがとうぅ。」
 ナナもつられて耳打ちで返したが、この内容なら特に耳打ちでなくても良かった気がしてならない。



 …――――日常は変わらずそこにあった、そう見えながらもじわじわと闇は光を蝕み始めていた。

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